幸運の日

 タタラ(玉鋼) [2015/10/04 12:53:58] 
 

日課の礼拝を終え、依頼を確認するために火竜の手羽先亭へ足を運ぶと、昼間からお祭りが開かれていた
あるパーティーが遺跡で一山当て、みんなご馳走を振舞っているらしい
「なつかしいな」
彼らの楽しそうな姿は、故郷の風景そのままだ
ともかく、おめでたいことなので、一緒にお祝いすることにした
「エールとおまかせの手羽先、あとパンケーキをひとつずつ」
注文を済ませたら、祭りの中心から外れた、隅の席に着く
少し豪勢な料理が並べられたら、エールを高く持ち上げて大きな声で祝福する。
「かんぱーい!」
酒を一口含むと、鋭い痛みが全身に走った
「―ッブ!!」
エールを飲んだと思ったら、タバスコのような何かだった
あわててパンケーキを口につめる。この店では、まれにあることらしい
「今日の運勢は絶好調だね...」
今飲むのはやめておこう

料理を味わっていると呼び出しがかかった
やってきた依頼を受ける冒険者として、ナゴーヤさんに選ばれたらしい
   *   *   *
集められたメンバーを見て、目を丸くした
この人は"赫嘴"、ティキ・ラウリさんだ
義理人情に厚ライダーで、色々活躍しているという話は、よく耳にする。
そして黒いタビットに...もう一人は赤のルーンフォークだった気がするけど、間違いない
この三人は【探求者《Seekers》】だ!
近くで見ていると、気迫というか、凄みを感じる


...この依頼は難易度が高いのか?だとしたら、なぜ馬の骨のわたしが選ばれたんだろう?
他の人が酔っ払っているからだろうか
それとも、ナゴーヤさん流の新人研修だろうか
理由はなんであれ、これはチャンスだ!
ここで活躍できれば、ゴブリン退治から卒業できるかもしれない

ガジガシ顔をはたいて気合を入れなおし、思い切って挨拶を試みる
「よ"、ろしく」
入れすぎた。ビビッて腰が引けたわけじゃない。
この声は、たぶん聞こえていないだろう

依頼人の名はオレット・フォルバード。旅の吟遊詩人だとか
名乗って軽く挨拶を済ませると、依頼内容の説明が始まった
>「コンチェルティアに訪れたことはあるかい?
> あの街の近くに森があるんだ。
> そこまで僕を案内して欲しいんだ......今の僕はあんまり強くないからね」
詳しいわけではないけど
「その街なら一度だけ寄ったことがあるよ。ふるさととルキスラをつなぐ道の近くにあるからね
ここから西へ3日ぐらいかな?
森のことは初めて聞た」

>「よかったら、その森に住む妖精を探すのを手伝って欲しいんだ。
 完全な創作だって少なくない。
 それでも、僕は可能性に賭けてみたい......そう思ってる」
>「僕には、助けたい人がいる。
 けれど、僕はあまりにも無力だった。
 でも、僕は諦めきれなかった。
 諦めなかったから......僕は少しは戦える力だって手に入れた」
>「伝承の中ではかの妖精は人間に大いなる力を授けたらしい。
 僕はもっと強くなりたい。
 そのためならば、歌い続けられるし。戦い続けられる。
 だから、どうか......」

彼は本気だった。本気で自分の可能性を信じて、今の自分を変えたいと願っているんだ
人間とナイトメアを同等とするのは失礼かもしれないが、オレットの志はわたしのものとよく似ている。そう思わずにはいられなかった
その瞳は、静かに、熱く燃えているように見えた

>「分かりました。【探求者《Seekers》】が一人、ヴェンデルベルト・S・ライゼトラウムはこの依頼をお受けします。

シーカーズの人は受けるらしい。うわさに違わず、頼りなる人だ

「わたしも、この依頼を受けたい。でも―」
帽子を軽く持ち上げて、頭の小さな角をメンバーに確認させる
用が済んだらすぐに、帽子を深くかぶりなおして、つづける
「見てのとおり、わたしは穢れ持ちだ。これが同行するということは、穢れを嫌う妖精を探しにくくなるリスクを負うと思う
だから、他の冒険者を雇うべきなんだけど」
こんな話を聞いて、黙って引き下がるなんて無理だ
わたしが腕を磨いてきたのは、こんな人たちの役に立つためなんだ

「これは個人的な信念と...趣味もあるね。その妖精をみてみたい
わたしは、わたしを雇って欲しい。だから折衷案を出したい」

「1つ、わたしに報酬を払わなくていい。強いて言うなら、0 ガメルの"経験"を受け取ることにしたい
2つ、わたしに分け前はいらない。宝物などを見つけても、みんなに譲歩する...いらないものはもらうけどね
3つ、探索するときは、すぐに駆けつけられる範囲で、できる限り距離をとる。穢れが近くにいることで、妖精が見つかりにくくなるリスクが、少しでも軽減できると思う
これが、今考えられる最大限の配慮だよ」

一息ついて

「剣と盾があるから、みんなの前に立って危険を払うことができる
森の中で生活したことも何度かある。独学だけど、その道の心得もある
きっと役に立つよ。 だから...旅に同行させてもらえないかな?」
着ている鎧がカチャカチャ音を立てている。こんなに緊張したのは初めてだ
お辞儀をしている余裕はなかった

―――――――――――――――――――――――――――――
PL玉鋼より
いきなり気まずい雰囲気にしてしまってすいません。代わりにギャグを混ぜたんですが、やりすぎましたかね?個人的にはありだと思うのですが
書きたいことが多すぎて長くなってます。今度から短くなるように気をつけます。
背景に火竜の手羽先亭とSeekersの描写があったので、設定を使わせていただきました。
目標として、何日探索するのか(何日かけて見つからなければあきらめるのか)聞いておきたかったですが、キャラの立ち位置的に、今は無理そうです。移動中のシーンがあれば聞けそうです
以上です よろしくお願いします!

ダイスチャット1
【"花開く街"コンチェルティア】見識判定(平目)
 2D6 → 6 + 3 = 9 > 8
[コンチェルティアの森】見識判定(平目)
 2D6 → 1 + 6 = 7 < 12