夢の手助け

 ティキ(キャスパー) [2015/10/04 16:00:53] 
 

喧噪の中、混じって聞こえてくる武勇伝に耳を傾けながら、私は杯をあおる。

ワインを一杯、二杯。三杯、四杯と飲み進めるうち、待ち人は現れた。

「......こんにちは、ヴェンさん。なんでも、うまく稼いだ輩の奢りの宴会だそうでね。なかなか豪勢ですよ」

言いつつ、自分のテーブルを指さす。そこにはもう4つか5つかの皿が重ねられている。

ついでにワインもすでにそれに見合う量を飲んでいた。

そう、私もその相伴に預かっているのだ。

黒毛のタビットのヴェンさんもコカゲに聞いていたらしく、サンドイッチにワインを持っていた。


「と言うわけで、この連休を利用して温泉に行ってきたんですよ。【お風呂好き同盟】のメンバーと」

「それはそれは。今度、私も誘ってくださいよ」

温泉とは羨ましい限りだ。私はこのところ妖精の勉強をしていて、鍛練もあるためにゆっくりと体を休められていない気がする。

ヴェンさんからは、温泉の話と一緒にお土産を頂いた。初めこそ「豆に甘い味付けをするなんて......」と訝ったものの、やはり食べてみるまでわからないものだ。

「......美味しい。特にこのお茶、気に入りました」

緑茶といったか、優しい香りだ。今まで見たこともないのに、妙に慣れ親しんだような感覚を覚える。

饅頭の方は、私は粒餡が好みだった。歯や舌で煮豆を潰すのが心地よい。

食べ終わると、ヴェンさんは遺跡の話を聞きに行くと言った。

「ええ。私は、もう少し飲み食いさせてもらいます」

私は折角だから、もう少し料理と酒、お菓子とお茶を頂こう。

そうしてまたしばらく食の喜びに浸っていたところ、店主が私を呼ぶのが聞こえた。

「......仕事か」

程よく酔っていい気分だったのだが、呼ばれたのなら仕方がない。

水を一杯あおる。気付けに一発、頬を強く張った。

「ごちそうさま。酒、ありがとうね」

宴席の主催に声をかけ、依頼人のもとへ向かう。

酔いはもう醒めていた。

* * *

「コンチェルティアに訪れたことはあるかい?
 あの街の近くに森があるんだ。
 そこまで僕を案内して欲しいんだ......今の僕はあんまり強くないからね」

「コンチェルティアか......行ったことは無いな」

オレットと名乗る依頼人から話を聞くと、仕事内容は護衛・案内と探索だという。

私の知っている限りでは、コンチェルティアは芸術家たちが集う街だとか。ただ、その付近の森だとか、伝承だとかに聞き覚えはなかった。

オレットは、さらに話を続ける。

「よかったら、その森に住む妖精を探すのを手伝って欲しいんだ。
 もしいないなら、それでも構わない。
 僕もいろんな伝承を歌ってきたけれど、その中には完全な創作だって少なくない。
 それでも、僕は可能性に賭けてみたい......そう思ってる」

助けたい人がいること、そのために修行も行ったことを告げ、最後に再度私たちの力を借りたいと話を締めた。

私は彼の瞳にただならぬ決意の色を見た。

くっくっと少し笑ってから、こちらも言葉をかける。

「よた話かもしれないなどと、つまらないことを言うな」

探し求める者ならば。

真に追い求める者ならば。

私達が力を貸さないわけにはいくまい。

「探求者―《Seekers》が、あなたに力を貸そう。誓って、あなたの夢に全力を尽くすよ」


PL

さて皆さん、改めてよろしくお願いします。

ティキをよろしく!

15:29:05 キャスパー@ティキ \"花開く街\"コンチェルティア】 2d+1 Dice:2D6[5,3]+1=9

5:29:27 キャスパー@ティキ 【コンチェルティアの森】 2d+1 Dice:2D6[2,6]+1=9

15:30:00 キャスパー@ティキ 【妖精の伝承】 2d+4 Dice:2D6[5,2]+4=11

上二つのダイスにおいて、固定値の足し忘れがありました。

結果は街についてのみ成功。