夢の手助け
喧噪の中、混じって聞こえてくる武勇伝に耳を傾けながら、私は杯をあおる。
ワインを一杯、二杯。三杯、四杯と飲み進めるうち、待ち人は現れた。
「......こんにちは、ヴェンさん。なんでも、うまく稼いだ輩の奢りの宴会だそうでね。なかなか豪勢ですよ」
言いつつ、自分のテーブルを指さす。そこにはもう4つか5つかの皿が重ねられている。
ついでにワインもすでにそれに見合う量を飲んでいた。
そう、私もその相伴に預かっているのだ。
黒毛のタビットのヴェンさんもコカゲに聞いていたらしく、サンドイッチにワインを持っていた。
「と言うわけで、この連休を利用して温泉に行ってきたんですよ。【お風呂好き同盟】のメンバーと」
「それはそれは。今度、私も誘ってくださいよ」
温泉とは羨ましい限りだ。私はこのところ妖精の勉強をしていて、鍛練もあるためにゆっくりと体を休められていない気がする。
ヴェンさんからは、温泉の話と一緒にお土産を頂いた。初めこそ「豆に甘い味付けをするなんて......」と訝ったものの、やはり食べてみるまでわからないものだ。
「......美味しい。特にこのお茶、気に入りました」
緑茶といったか、優しい香りだ。今まで見たこともないのに、妙に慣れ親しんだような感覚を覚える。
饅頭の方は、私は粒餡が好みだった。歯や舌で煮豆を潰すのが心地よい。
食べ終わると、ヴェンさんは遺跡の話を聞きに行くと言った。
「ええ。私は、もう少し飲み食いさせてもらいます」
私は折角だから、もう少し料理と酒、お菓子とお茶を頂こう。
そうしてまたしばらく食の喜びに浸っていたところ、店主が私を呼ぶのが聞こえた。
「......仕事か」
程よく酔っていい気分だったのだが、呼ばれたのなら仕方がない。
水を一杯あおる。気付けに一発、頬を強く張った。
「ごちそうさま。酒、ありがとうね」
宴席の主催に声をかけ、依頼人のもとへ向かう。
酔いはもう醒めていた。
* * *
「コンチェルティアに訪れたことはあるかい?
あの街の近くに森があるんだ。
そこまで僕を案内して欲しいんだ......今の僕はあんまり強くないからね」
「コンチェルティアか......行ったことは無いな」
オレットと名乗る依頼人から話を聞くと、仕事内容は護衛・案内と探索だという。
私の知っている限りでは、コンチェルティアは芸術家たちが集う街だとか。ただ、その付近の森だとか、伝承だとかに聞き覚えはなかった。
オレットは、さらに話を続ける。
「よかったら、その森に住む妖精を探すのを手伝って欲しいんだ。
もしいないなら、それでも構わない。
僕もいろんな伝承を歌ってきたけれど、その中には完全な創作だって少なくない。
それでも、僕は可能性に賭けてみたい......そう思ってる」
助けたい人がいること、そのために修行も行ったことを告げ、最後に再度私たちの力を借りたいと話を締めた。
私は彼の瞳にただならぬ決意の色を見た。
くっくっと少し笑ってから、こちらも言葉をかける。
「よた話かもしれないなどと、つまらないことを言うな」
探し求める者ならば。
真に追い求める者ならば。
私達が力を貸さないわけにはいくまい。
「探求者―《Seekers》が、あなたに力を貸そう。誓って、あなたの夢に全力を尽くすよ」
PL
さて皆さん、改めてよろしくお願いします。
ティキをよろしく!
15:29:05 キャスパー@ティキ 【\"花開く街\"コンチェルティア】 2d+1 Dice:2D6[5,3]+1=9
5:29:27 キャスパー@ティキ 【コンチェルティアの森】 2d+1 Dice:2D6[2,6]+1=9
15:30:00 キャスパー@ティキ 【妖精の伝承】 2d+4 Dice:2D6[5,2]+4=11
上二つのダイスにおいて、固定値の足し忘れがありました。
結果は街についてのみ成功。