報酬とは
「オレットさん」
私は言う。タタラ、と言うナイトメアが報酬はいらないと言ったすぐ後に続けるように。
「確かに、ナイトメアは穢れを持ち、その穢れを妖精は嫌います」
私はタタラ嬢と初対面だ。けれど、分かることもあるのだ。
「しかしながら、彼女はナゴーヤ殿が指名した冒険者です。すなわち、この冒険者の宿の主人が、この依頼に相応しい、と判断したと言う事」
それを覆すのならば、ナゴーヤ殿の審美眼を疑うのと同じ。
「ナイトメアは、種族として基礎能力が高く、強靭です。老いもなく冒険者としては適している。貴方を目的の森まで護衛するには、大変相応しいと言えます。
彼女が役に立たぬならば、むしろ"本の虫"である老いたる私など、それこそ箸にも棒にも引っかからぬでしょう。
ですが、私は貴方の力になるつもりです。力になれるはずです。私には知識があるからです。その知識の力を持って、貴方の依頼を達成するために尽力しましょう」
「何故なら、私は貴方から報酬を受け取り、その義務を、責任を負うからです」
ふう、と息を吐く。そうして、一度深呼吸を。
報酬を支払われないことで生じる問題は、むしろ私の方にあるのだ。
「報酬を受け取る、金銭の契約を結ぶと言う事は、つまりそういう事でしょう。契約をしないものに責任はない。対価を支払われないのですから。
私は、責任のないものと仕事を分け合おうと思わない。
勿論これは、権利と義務の話ですので、報酬を支払われないものが適当な仕事をすると言う事ではありませんが」
タタラ嬢を信用しないと言う事ではない。報酬と対価は皆同じであるべきだ。そう私が信じているだけだ。
「オレットさん、あなたがもし、我々に貴方の依頼を達成するために必要な尽力をしてほしいと思うならば、どうか、皆に報酬をお支払いください。そうして、その責任を負わせてください」
「差し出がましいことを申し上げました。ご容赦くだると幸いです」
ぺこり、とオレット氏に頭を下げて、今度はタタラ嬢に、そっと。
「ナイトメアと言う種族の為に、依頼人の為に、私の為に。報酬を受け取って貰えませんか、タタラ嬢」
正直に名乗り出た姿勢は、賛美するに余りある。が、簡単に報酬を投げ出す姿勢はいただけない。彼女より腕の立たぬ冒険者はたくさんいるのだ。
......私も、その一人なのだが。
「依頼達成のための『仲間』は、多い方が良いのです」
不足箇所を補ってこその、『仲間』だと、私は思っているのだ。
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PL柑橘より
さらに微妙な空気にするスタンス!
このRPをするにあたってはタタラ@玉鋼さんと相談しておりますので悪しからずご了承くださいませ!
01:54:25 柑橘@ヴェンデルベルト 【妖精の伝承】 2d+11 Dice:2D6[6,2]+11=19
01:54:14 柑橘@ヴェンデルベルト 【コンチェルティアの森】 2d+11 Dice:2D6[4,4]+11=19
01:54:02 柑橘@ヴェンデルベルト 【\"花開く街\"コンチェルティア】 2d+11 Dice:2D6[6,3]+11=20
何か共通点とか好物とか無いですかと聞いた結果↓
21:00:37 柑橘 森の妖精について 2d+11 Dice:2D6[4,3]+11=18