プロの世界

 タタラ(玉鋼) [2015/10/04 22:18:12] 
 

>「オレットさん」
びくり、と体が反応する
>「確かに、ナイトメアは穢れを持ち、その穢れを妖精は嫌います」
どうしようか。これ以上の案は思い付かない
手持ちのお金も、装備品とその手入れにかけたので、40 Gしか残っていない

>「しかしながら、彼女はナゴーヤ殿が指名した冒険者です。すなわち、この冒険者の宿の主人が、この依頼に相応しい、と判断したと言う事」
「...ぇ?」
>「ナイトメアは、種族として基礎能力が高く、強靭です。老いもなく冒険者としては適している。貴方を目的の森まで護衛するには、大変相応しいと言えます。
 彼女が役に立たぬならば、むしろ"本の虫"である老いたる私など、それこそ箸にも棒にも引っかからぬでしょう。」

一言で表すなら、度肝を抜かれた
常識の天と地がひっくりかえった気がする
彼は、あの【探求者《Seekers》】の一人、ヴェンデルベルトさんが、わたしの力を認めてくれた?
というか、むしろ、オレットさんを説得しているように聞こえる
もしかして、ナゴーヤさんは純粋にわたしの能力が適任だとして、この依頼を預けてくれたのだろうか?
自分が目指していたものを、言葉で評価してもらえたのは初めてだ
目の上が暑くなって、汗がふき出しそうになる

>「ですが、私は貴方の力になるつもりです。力になれるはずです。私には知識があるからです。その知識の力を持って、貴方の依頼を達成するために尽力しましょう
何故なら、私は貴方から報酬を受け取り、その義務を、責任を負うからです」
彼にも志があるらしい。
>「報酬を受け取る、金銭の契約を結ぶと言う事は、つまりそういう事でしょう。契約をしないものに責任はない。対価を支払われないのですから。
 私は、責任のないものと仕事を分け合おうと思わない。
オレットさん、あなたがもし、我々に貴方の依頼を達成するために必要な尽力をしてほしいと思うならば、どうか、皆に報酬をお支払いください。そうして、その責任を負わせてください」

どうも、報酬というのは、ただのギブアンドテイクではないらしい
依頼人は、報酬を約束することで冒険者の協力を得る。冒険者は、それを受けることで依頼達成を約束する
このやり取りで信頼関係を結ぶのが、プロの流儀、ということなのだろう。父が商売でやっていたことと、なんとなく似ている
わたしがみんなの気を引くために行っていた発言が、逆に遠ざける結果になるとは、夢にも思わなかった

彼は礼儀正しくお辞儀をすると、今度はわたしに問いかけてくれた
>「ナイトメアと言う種族の為に、依頼人の為に、私の為に。報酬を受け取って貰えませんか、タタラ嬢
依頼達成のための『仲間』は、多い方が良いのです」

この世界はやっぱり面白いと思う
想像もできなかった考えが、価値観が、わたしを一歩づつ成長させてくれる
「...ぁりがとう」
もう少し、自分を信じていいかもしれない
心に余裕ができたとき、鎧が立てていた耳障りな音が消えていることに気づいた

「1つめと2つめの条件は撤回する
わたしは、わたしの分け前と、責任をもらう
でも、3つめの条件は譲れないよ!
みんなの成功を考える冒険者として」

今日はすこぶるいい日だと思う
――――――――――――――――――――――――――――
PL玉鋼より
結局長くなりましたが、大事なシーンなので
柑橘さん、ありがとうございます。このような返しでいかがでしょうか?

導入早々おいしいRPができて満足しています。プラリネ、ティキ、オレットをほとんど置いていってしまい、申し訳ありません

のりたまさんへ:誠に勝手ですが、タタラはプラリネのことを【探求者《Seekers》】のメンバーだと勘違いしています。このあたりか、新人(?)の共通点で接すれば面白くなると考えています。余裕と都合が会えば、絡んでやって下さい

キャスパーさんへ:タタラは力を欲しています。ファイター技能の技術やエンハンサーの話などすれば食い付きます。もしよろしければ、話しかけてやって下さい

あんみつさんへ:やはり、情報交換は重要だと思うので、ご覧のように好き勝手書き込みます。話が反れそうなど、問題発生が予想されましたら、ご指摘をお願いします

他にも何かございましたら、お気軽に声をかけてください。お互いの要求を練り上げましょう!