力の伝説
ガシャンガシャン
うれしくて、じっとしていられない!
ルキスラを出発する前に、ティキさんは寄る所があるらしい
そこまで、飛んだり跳ねたりしてついていった
* * *
訪れたのはライダーギルド。馬やバイク、乗れるものならなんでも集めた不思議な場所だ
>「よう、ティキじゃねえか。」
たくましい女の人が呼びかけている
このギルドの飼育員で、ティキさんと知り合いのようだ
>「ま、すぐ連れてくるからそこで待ってろよ」
もうすぐで、名高いあのいきものと顔を合わせることになる
ワクワクが加速する
>「ほらよ、おまちどうさん」
彼女と一緒にでてきたのは竜。そう、竜だ
オレットさんが率直な感想を漏らす
>「ドラゴンか――僕もあまり見たことはないけど、やっぱりかっこいいものだね。」
そのとおり!ドラゴンと言えば知らない人はまずいない
冒険者なら、誰しも一度は憧れるだろう
竜にとっては赤ん坊でも、十分すぎる巨体は、その辺ので見かけるトカゲなんかと比べ物にならない
大きな翼と硬い鱗を持つこの幻獣は、まさに、力の象徴と言えるだろう
触れてみたら、どんな感じなんだろう。伝説はよく聞くのに、感触はまるで想像できない
「ティキさん!ドラゴン、さわってみてもいいかな?」
許可をもらって、チャレンジしてみる
驚かせないように背を低くして、ゆっくり近づいて声をかける
「よろしくおねがいしまーす...」
右手で頬に触れてみると、少しやわらかくて、内側に丈夫な骨があるように感じる
あたたかいものが、伝わってきたような気がした
* * *
出発してから2日、ここまで無事に来ることができた
夜、休憩を兼ねて日の出を待っていた。澄んだ空に、星と月がよく見える
>「こういう綺麗な夜空を見ると、少しロマンチックな気分になるんだ。
恋の歌でも歌いすぎて――ついつい当てられたかな」
オレットさんは、初対面のときよりも楽な感じで話す
ここまでの旅で、少しは打ち解けることができただろうか
>「恋の歌と言えば――そうだ。」
彼は、コンチェルティアの森に住む妖精の、伝承を話してくれた。
愛しい人を想う男性に胸を打たれて、高い塔の上から降りれない女性を助けるために、力を貸してくれたんだとか
>「面白い話だよね......君たちはこの話、本当のことだと思うかい?」
「...本当だと思うよ
――お父さんがね、炭と炎を加えるだけで、黒い砂を鋼に変たのを見たことがあるんだ
小さかったけど、武具に使えそうなくらい立派だったよ。話を聞いたときは、信じられなかったんだけどね...
一見、ありえないような伝説でも、事実かもしれない
"火のないところに煙はたたない"なんて、言葉もあるしね」
一番悲しいことは、信じていたものが壊れることじゃなくて、可能性を捨てきって、何も動けなくなることだと思う
たとえ嘘だとしても、人の活力になれる伝承は、それだけで素敵じゃないかな
>「僕は――本当だと思いたいな。
そうすれば僕の願いも叶うかもしれないから......」
その後も、彼は探している人のこととか、話してくれた。
まったりした時間が流れていく
>「あ、そういえば君たちはこのまま直接森に向かうかい?
それとも少しコンチェルティアで休んでから行くかな。
僕は君たちを信じてるから。君たちに任せるよ」
わたしたちは、少しこれからの予定について話し合って、森へ直接いくことに決めた
確かに、ナゴーヤさんから街のよくない噂を聞いているし、わざわざ町へ寄る必要もないだろう
明日からは、少し距離を置いて、みんなを守らなくちゃ
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PL玉鋼より
頑張って少し早めの投稿 結局予定は聞けませんでした
キャスパーさん、突然の要求に答えていただき、ありがとうございます。
ドラゴンは、やっぱりいいものですよね
ヴェンデルベルトの発言は、入れるスペースが無かったので、こちらからは描写しないことにしまた。
のりたまさん、確認ありがとうございました