【A3-2】唐突な衝突
>「ふふ これは可愛らしいねぇ でもどうしようかな...」
二ェストルが陳列された商品を褒めると、店番の栗毛色の髪の男は照れ臭そうにはにかんだ。
「そう言ってくれると嬉しいねえ。
こいつらは俺の仲間たちとのお手製だもんで」
コンチェルティアでは工房や芸術家自体が直接店を出していることは少なくない。
特にこのヴォルディーク大通りはその傾向が根強くなっている。
>「...妖精のモチーフが多いようだけれど、この辺りはアステリアを
> 祀っているのかな? それとも...」>「別の...何かを祀っているんだろうか?」
「そうさねぇ、この街で一番大きいのはアステリア様の神殿さ。
まぁ、ライフォス様の神殿もそこそこ大きいけども。
あとは大きくはないけどリルズ様とニールダ様の神殿もあるね」
二ェストルのところから見える大きな神殿がおそらくアステリアのものだろう。
芸術を愛した女神だと言われる彼女にふさわしく、大きなだけなく装飾的にも美しそうだ。
「もし気に入ったアクセサリーがあれば買っていっておくれよ」
ピクシーやスプライト、ウンディーネにドライアード、フラウまで。
どうやら女性の姿をした妖精たちがモチーフになっているようだ。
種類も髪飾りから、首飾り、指輪など多種多様だ。。
* * *
フィンは瓶詰めのキャンディを店のおばさんから受け取った。
5ガメルで様々な色合いと味が楽しめてお得である。
「買ってくれてありがとうね。
ユーレリアに行ってきたのかい?
いいねぇ......あたしも温泉に行きたいもんだよ。
でも、この街もやっぱりなかなかいい街だろう......最近は物騒だけどねぇ」
おばさんはフィンに対して自分の子供に優しく語りかけるかのように話す。
フィンは年齢としては成人を迎えているのだが生来の性格と外見の違いもあり、
その辺はよく理解してはいないのであろう。
>「あの、通りのこっちとこっちで、ずいぶん街並みがちがうみたいなんですけど...。コンチェルティアはたしか6つの街に分れてるんですよね。区画によってちがいがあるんですか?」
フィンがコンチェルティアの街の区画について訪ねてみると、
「うん、その通り。この街は大きく六つに分けられているんだよ。
神殿とかお役所がある1番街。貴族や昔からの商人が住んでる2番街。
冒険者の店や宿が多い3番街。劇場や展示場がある4番街。
んで、あたしみたいな普通の人がよく住んでる5番街。
最後が色んな芸術家たちが集まってくる6番街だねぇ」
コンチェルティアの6つの区画の構成を簡単に説明するとこのようになっているらしい。
>「コンチェルティアでは、芸術にかんすることをなにか......。どう言ったらいいのかな、えと、誰かが守ったり、推し進めたりしてるんですか?」
「だいたいは2番街に住んでるお貴族さんか商人さんらかねぇ。
一応街の役所からも、そこそこお金が出てるみたいだよ」
この街の芸術家たちのパトロンは古くからの貴族や商人、その他である。
特にこの街の芸術文化の発展に寄与したと言われているのはヴォルディーク家であった。
「あたしもよくは知らないんだけど、最近この街で事件が起きてるみたいでねぇ。
いつもよりかはちょっと物騒だから、気をつけて観光していってちょうだい」
店番のおばさんはガラス瓶を淡いピンク色の布に包み、フィンに手渡した。
* * *
ヴォルディーク大通りの中心部には円形に開けた空間がある。
中心には楽器を奏でる詩人の銅像を囲むように噴水が築かれている。
ここは奏での広場――街の人にとっては憩いの場所であり、待ち合わせ場所でもある。
フィンと二ェストルはそれぞれ反対側から広場に入ってきた。
お互いの姿こそ見ることは難しくないであろう。
それでも、他の人の姿も多く特に知り合いでなければ気にも留めないだろうが。
フィンが広場の中へ足を踏み入れようとすると、その背後から何かがすごい勢いで近づいてくる。
まるで野犬か猛牛かという速度でやってきたのは――人間の少年であった。
「うわ、やべ!」
どうやら彼はフィンのすぐ傍まできてようやくその姿を認識したらしい。
フィンの背丈の関係上人人混みの向こうからは見えなかったのだろう。
――そして二人は盛大な音を立ててぶつかった。
その光景は二ェストルからも見て取れるだろう。
「いてててて......って、あぁ!」
銀色の髪と少し日に焼けた肌をした少年は声を上げる。
それもそのはず、彼が提げていたポーチの蓋の部分が開いて中の物が飛び出してしまっていた。
お菓子や羊皮紙、その他ガラクタの数々。
その中の一つ、翠色に透き通った小さなガラス玉が二ェストルの足元まで転がって来ていた。
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あんみつ@GMより
前半部では二ェストルとフィンそれぞれの質問にお答えしておきました。
二ェストルは100ガメル払えば好きな妖精のデザインの宝石製の好きな部位の装飾品が買えます。
勿論お買い上げにならなくとも結構です。
フィンはキャンディ代で5ガメル使用ください。
フィンは【ヴォルディーク家】について見識判定が可能です。
目標値は13。成功すれば『出立の曲目』に記されたことを思い出します。
後半部では奏での広場に二人は到着しております。
フィンは危険感知判定をよろしくお願い致します。目標値は10です。
成功すると後ろから何かが来たことには気づきますが、結局ぶつかります。
失敗すると思いっきり後ろからぶつかってきます。
一応フレーバー判定ですので成功もしくは失敗を自主的に選んでいただいても構いません。
フィンは少年に対して何らかのアクションを起こしてくださいませ。
二ェストルは今後の行動をご決定ください。
主な選択肢は2つです。
・フィンと少年を助けてあげる(ガラス玉をひろうも含む)
・無視する
他にも行いたい行動があればそちらでも構いません。
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