【B1-3】危なげない勝利
迫り来る飢えた動物たちの群れ。
しかし、流石に冒険者たちは冷静であった。
>「タタラ、虎をお願いします。プラリネはオレットさんの近くに。
> オレットさん、妖精魔法で補助をお願いできますか。」
ヴェンデルベルトは、オレットに支援を願う。
「僕にできることはあまり多くはないけれど......頑張るよ」
オレットは小さくも、しっかりと頷いた。
* * *
冒険者たちの戦略は非常に適切であった。
動物たちに先手を切った彼らは左右から襲いかかる動物たちを何事もなく捌ききる。
冒険者たちを包むのはル=ロウドの加護。プラリネの起こす奇蹟。
それは紛れもなく確実に彼らの命を守るであろう。
ヴェンデルベルトは古き文明の言語を紡ぎ、
右手で宙に魔力の込もる文字を綴る。
放たれしは小さな稲妻。煌く閃光。
グリズリーたちの生命を確実に削り取る。
それに続きティキが妖精の魔力を込めた一撃で、グリズリーに痛手を負わせ。
ニコデムスがその鋭い牙で追撃する。
最高のコンビネーションで東側の前線は見る見る内に瓦解する。
西方の前線も圧倒的であった。
強化されたオークハウンドは凄まじい速度で連撃を与え。
タタラの重い一撃と加護は確実に戦場を支えている。
『僕に......守るための力を......!』
オレットも大地の妖精の力で応戦する。
太い腕が、重い一撃が、野性の力が冒険者たちを襲おうとも、
彼女たちは負けることなく、力を振るい続けた。
動きも悪くなく、森が騒がしかったのもほんの少しの間のことであった。
残されたのは少しの疲労感と――地に倒れた動物たち。
冒険者たちの華麗なる勝利である。
* * *
「お疲れさま......。
ちょっとびっくりしたけど――本当に君たちがいてくれてよかったよ」
先刻の襲撃が落ち着いた後、森は再び静けさを取り戻した。
十分ひと休みできる状態であろう。
周りを見渡しても危険はなさそうだ。
――そして未だエメラルドのように煌く森の深奥。
光の中に待っているものとはなんであろうか。
行く手を阻む川の深度はちょうど一般的な成人の足が浸かる程度。
種族上小柄なヴェンデルベルトには若干辛いものがあるだろうか。
ゴーレムの上に乗るか、ニコデムスに運んでもらうと楽かもしれない。
「あの向こうへ行ってみるかい?
もしかしたら今よりもっと危険な場所かもしれないけれど......。
僕としてはそれでも見てみたいんだ。
――探し求めているものがそこにある気がするから」
オレットが探し求めているもの。
それは妖精の力。
そして、妖精の力を手にした先に待っているもの――探し人。
未知とは常々人間に根源的な恐怖の感情を思い出させるものでもある。
先へ進んで何が待っているかはわからない。
それでも、彼は――先へ進みたいと願った。
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あんみつ@GMより
戦闘についてはボーナスとして10点の評価点をプラスしました。
このやり方だと、出目が相当腐らなければ負けませんね。
戦闘結果表の結果判定の合計は29点。
それに先制と弱点、オレットの参入で3点ずつプラスして、48点となります。
結果としては、
45~ 楽勝。2D6のHPダメージと2D6のMPダメージをPTで割り振ります。
になりますね。
HPに12点とMPに8点のダメージを適当に振り分けておいてください。
MP辺りは実際よりだいぶ少ない消費となっていることかと思われますが、
その点はおまけとして受け取っておいてください(*´∀`*)
あ、戦闘描写は超好きに書いていいですよ!
魔物からの剥ぎ取りをされるのでしたら、計4体分のダイスをお振りください。
また、ダメージの回復などもされていただいて構いません。
剣のかけらはセッションの最後に処理しますね。
川は渡るのに別に判定など入りませんのでもし渡るならご自由にどうぞ。
皆さんは次の行動を決定してください。
主な選択肢は2つです。
・さらに奥へ進む
・一旦戻る
他に起こしたい行動がございましたら、そちらでも構いません。