花緑青の光の方へ
ゴーレムの乗り心地は良いとは言えないものであるが、川を渡ると言う目的に対しては問題のないものであった。
タタラ嬢のように濡れるのを気にせずにいるには、私の身体は不自由である。モフモフとした毛は乾きにくいのだ。
渡り終えた向こう岸は、やはりエメラルドグリーンだ。自然とは言い難いのだが、何故か悪いものでは無いと感じられた。
危険を感じる私の髭も耳も、垂れたままである。
奥の方へ進むにつれ、私の耳にはなにやら歌声のようなものが聞こえてきた。
どうやらもっと早くから聞こえていたものもいるらしい。不可思議な景観に気を取られ過ぎていたようである。
>「......なんだろう。
この感じ、何処かで聞き覚えがあるような。
懐かしい気がする――たしか」
「えぇ、私も聞いた覚えがあります。確か、魔法文明時代より前から伝わると言われる、童謡、でしょうか」
この地方で生まれ育ったものなら1度は聞いた、歌ったことがあるであろうそれがなぜこんな森の中で聞こえるのか。誰が歌っているのだろうか。
私達はその謎を解明するための欠片を求めている。
◇ ◇ ◇
辺りに広がる桃色の木。エメラルドグリーンの光に照らされて、それはいっそ鮮やかに咲き誇る。
これは何と言う花だっただろうか。
そして眼前には謎の巨木である。緑色の水晶で作られた森の絵。それが中腹に浮かんだ大樹。
明らかに自然のものではなく、しかして人の手では到底なしえない現象。
周囲を探索してみたが、脅威はないようだ。タタラ嬢も五感で確かめているようだ。好奇心旺盛なのは良いことだ。
>「この中に入る?
危険があるかもしれないから、鎧を着ているわたしから入ったほうがいいよね?
それともやっぱり、妖精を驚かさないように、最後に入ったほうがいいかな?」
「そうですね。何があるか分からない、と言う事であるなら危険を察知できるものか、もしくはスカウトやレンジャー技能のあるものが相応しいかと思いますが」
前者で良いなら私が行こう。後者であるならプラリネ君が相応しい。
「どちらにせよ、入ってみるのは賛成ですね。虎穴に入らざれば虎子を得ず、と言いますし」
おそらく、ここで躊躇するものはないと思うが、私は意見をまとめるべく
皆の顔を見回したのだった。
21:19:30 柑橘@ヴェンデルベルト 聞き耳 2d+6 Dice:2D6[1,1]+6=8
21:20:21 柑橘@ヴェンデルベルト 【妖精の森の歌】見識 2d+11 Dice:2D6[6,3]+11=20
20:48:05 柑橘@ヴェンデルベルト 桃色の花 見識判定 2d+11 Dice:2D6[2,1]+11=14
20:55:39 柑橘@ヴェンデルベルト 探索 2d+6 Dice:2D6[4,4]+6=14