【B2-3】さあ調査へ乗り出せ!
>「もうひとつ、よいでしょうか。
> 現場に落ちていたというエンブレム、どこの何という店のものかはご存知ですか?」
第四の現場に落ちていたというエンブレム。
これは少なからず今回の事件に関わっている可能性がある。
白にしろ黒にしろ、一度店を訪れてみるべきではあるだろうか。
「七色の調べ亭だ。
3番街で一番大きな店だから、すぐにわかるだろう」
落ちていたものは七色の調べ亭のエンブレムだという。
コンチェルティア最大手の冒険者の店として知られているところである。
* * *
エミールとミハイルとの会話を終えたあと、プリアーシェは再びカイルの下に舞い戻る。
>「キャピレット家に協力を依頼すべきです」
そして告げたのは、キャピレット家への協力依頼だ。
プリアーシェに積み重なる記録が導く、貴族としてのあるべき姿。
貴族というものは、常々見られているものなのだ。
時には羨望の眼差しで、時には品定めの好奇なる瞳で。
――紡がれるプリアーシェの言葉。
キャピレット家との交流法――連絡について。
そして得られるべき協力について――それは直接でも間接的でも。
幾重にも経験し、学習し、改良されてきたプリアーシェの唇からこぼれ落ちてきた物は。
紛うことなき正論という輝きを持っていた。
カイルはそれを正面切って受け止めることはしなかった。できなかったとも言えるか。
「だいたいのことは、言われなくともわかっていたつもりさ。
ただ、俺と協力したことであの家が――ヴィクトリアが巻き込まれていくのは見たくなかった。
力を借りるべきであることは分かっていても、気持ちが許さなかった」
それはごくごくシンプルなフレーズ。
カイルのストレートな心情であろうか。
「それでも、本当に俺が目指すものは何なのか。
姉さんを救い出すことだ――そこは変わらない。
仮にヴィクトリアを危険に晒す可能性があっても、今は賭けるときであると決めた。
それに......」
そう言ってカイルが握り締めたのは首から下がった紐飾り。
その先に括りつけられているのは――騎士神ザイアの聖印である。
「もしヴィクトリアが危ない目に遭いそうならば、俺がま......。
いや、なんでもない」
はっきりしない男である。
ただ、プリアーシェの言葉は全面的に受け止めてくれてはいるらしい。
* * *
また、プリアーシェのもうひとつの提言は、冒険者の店についてであった。
>「そのようなわけですから、私は、冒険者の店へ協力の依頼をしに出向こうと思います。
> できれば、私の身元を保証し、店との交渉を任せる旨の一筆をいただけませんでしょうか」
「そのくらいならすぐに用意できる。
――少しだけ待っていてくれないか?」
プリアーシェが出発する前には、渡せる状態にしておくとのことである。
* * *
出発時。
行きと同様、クーガとプリアーシェと共にミハイルがいた。
「プリアーシェさんが仰ったように、キャピレット邸へとこれから向かいますね」
カイルという男はやると決めたらそれなりに早い男なのだ。
特に精神面で若干不安が有り、未熟な部分も多いのだが。
「これから、調査の方に行かれるんですよね。
――どうかお気を付けて」
そう言ってミハイルは2番街の向こう側へと歩いていく。
プリアーシェが目指すのは、件の冒険者の店。
3番街に店を構える七色の調べ亭である。
一方のヴォルディーク邸を出たクーガが目指すのはある店。
そこに行けば、望みのものと出会えるという。
――今ここから、本当の調査の始まりである。
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あんみつ@GMより
とりあえずLainさんへのお答えがメインです。
カイルはプリアーシェの注文を基本的に受け止めてくれました。
非常に素直で可愛いヘタレなのです(・∋・)
【七色の調べ亭】について見識判定が可能です。
目標値は14。成功すれば『出立の曲目』に記されたことがわかります。
プリアーシェは信任状を受け取ってください。
使い方はお好きにどうぞ。
実際の調査シーンは次に新しいカテゴリを作りますので、そちらでとなります。
また一時的にプリアーシェはB3のカテゴリに移動します。
なので、少々お待ちくださいませ。