白毛の使者
ルキスラから西へ3日。
コンチェルティアの街に、見てそれと解るような異変はない。
それなりに大きな街のようだから、逆に、簡単には解らないのかもしれない。
もっとも、依頼の件がまだ解決していないのであれば、噂なり何なりにはなっていることだろう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
> 「クーガさん、来てらしたんですか?
> ......もしかしてカイルさんからの依頼で?」
コンチェルティアに着いたばかりの私たちに声をかけたのは、白毛のタビットだった。
お知り合いですか、と目顔で尋ねる。
わざわざ街の有力者が依頼を寄越すくらいだから、この街では案外顔が広いのかもしれない。
> 「すみません、クーガさんのお仲間の方ですよね。
> 僕、ミハイル・ロットといいます。
> えっと......一応カイルさんの相談役で魔術師です」
ミハイルさん。熟達した魔術師のように見える。
立場に相応の実力者ということかしら。
「プリアーシェです、ミハイルさん。
クーガさんと一緒に依頼をお受けしました」
一礼して名乗る。
> 「ルキスラから来るかもしれない冒険者ってクーガさんのことだったんですね。
> なんか、ちょっとだけ意外です......いろいろありましたし」
依頼人とクーガさんの間に何かが――あまり好ましくない何かがあったのだろうという私の想像は、どうやら正しいようだ。
相談役をして意外と言わせるくらいなのだから、やはり何かあったのだろう。
もっとも、依頼を受けた今となってはそのあたりをつつき回すのも気が引ける。
当人がそれでよしとしたのだから、私から何か言うような筋の話でもない。
> 「僕、これからカイルさんの屋敷に帰ろうと思うのですが。
> よかったらクーガさんたちもいらっしゃいますか?
> それとも少し街の方を見てからいらっしゃいますかね。
> その場合は、僕からカイルさんにお二人が来ていることをお伝えしておきます」
「私は、よろしければ、カイルさんのお屋敷へ伺おうと思います。
まずはご挨拶を、と思うのですが」
街を見て回るにも、何がポイントになるのかは絞っておきたいところだ。
それにはまず詳しい事情を聞かなければならない。
私の中の問題解決ルーチンもそう判断している。
闇雲な情報収集は時間の浪費に繋がるだけだ――まずは事情を知っている者からの聴取。
状況を整理し、解決すべき問題を明確にしてから解決のための行動を起こす。
姉たちが遺した膨大な記録と記憶から導かれた解が、そう告げている。
私に従わない理由はなかった。
■PLから
というわけで、ひとまず依頼人にご挨拶の方向であります!
■ダイス
Lain@プリアーシェ ありばど ミハイルの実力ちぇっく 2d6+9 Dice:2D6[4,5]+9=18