【B3-1】陽の名の下に
奏での広場に踏み入ったばかりのフィンは背後からの危険を察知した。
――もっとも危険とは言っても猪のように突っ込んでくる少年のことであったのだが。
ただ少なくともフィンが受け止めきれず弾き飛ばされるほどの勢いはあったようだ。
フィンとの衝突によって辺りに散らばった菓子を拾いながら。
>「だいじょうぶ?怪我はない?こんな広場で走ったらあぶないよ...」
「だ、だいじょうぶに決まってんだろ。
拾ってくれてありがとな」
ゆっくりと体を持ち上げながら、少年はフィンから受け取る。
フィンは他にも羊皮紙など手に取って、彼に返す。
>「これ、大切な文書?なくしたら、たいへんだよ。何が書いてあるの?」
「ひみつだよ!ひーみーつー!」
フィンが羊皮紙の内容を尋ねてみると、子供みたいに頑なに答えてはくれなかった。
だが、書いてあることは少なくなかったため、大まかな内容は読み取ることができた。
――そこには崩れた交易共通語の文字でこうあった。
『重要!
アポロのひみつきち!
大人は絶対に入るな!
アイリははきてもいいよ!』
アポロ――とはもしかしなくてもこの少年の名前だろうか。
アイリという名には流石に心当たりはない。
>「ねぇ、どうしてそんなに急いでいたの?お年寄りにでもぶつかったら事故になるところ
だったよ。何かあったの?」
少しずつ本来の調子を取り戻してきたフィンが彼に何かあったのか尋ねると。
「...へ?
なんもないよ、だって走った方が早いじゃん。文句あんのかよ」
――何もないらしい。
気持ちが逸れば考えるより前に体が動き、頭が体に追いつかないタイプなのだろう。
あと......若干フィンは彼になめられているようだ。
冒険者だとは言っていても見た目と雰囲気の影響の方が強いのだろう。
>「元気が良いのは何よりだけど
> もう少し周りを見ておかないと怪我をしてしまうよ?」
そんな二人のそばに二ェストルがやってくる。
その手の中に緑色のガラス玉を隠して。
「え、あ......その......。
ごめんなさい......次から気をつける」
二ェストルが少年を諭した場合は効果があったようだ。
穏やかな物腰でもやはり背の高い大人の男は怖いのだろうか。
「あれ......おまえ、おみやげのキャンディ買ってるじゃん。
もしかしてこの街を見に来た感じ?」
少年が目ざとく見つけたものは、フィンがつい先ほど購入したキャンディだった。
ぶつかった時の衝撃で顔を出したのかもしれない。
「しょうがねぇなぁ......ぶつかったおわびに、おれが案内してやるよ!
街の中だったらどこだって連れて行ってやるぜ?
おれもヒマじゃないから、特別だぞ!」
どうやらフィンのために街案内をしてくれるらしい。
暇ではないとは言っているが、先ほど急いでいる訳でもないと言っていたので。
――つまるところ、暇なのだ。
「おれはアポロな!
おまえの名前も教えろよ。友達になってやるから!」
やはり少年の名前はアポロであったようだ。
アポロはフィンの名前を聞きながら――ちらちらと二ェストルの方を見る。
怖いのだろうか。気になるのだろうか。それとも両方だろうか。
もし、二ェストルが一緒に案内を頼めば連れて行ってくれるだろうか。
怖いなら、怖いので頼みは聞くし。
気になるなら、気になるので頼みは聞くのだ。
両方の場合も然りである。
――ちなみにガラス玉のことは特に気がついていないようだ。
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あんみつ@GMより
こちらは二ェストルとフィン用の新しいカテゴリです。
ここからの2人のPCの日記はこのカテゴリにご記載ください。
ぶつかった後の続きの場面です。
【アポロ・カリス】を『演者の一覧』に登録しておきます。
フィンと二ェストルは次の行動を決定してください。
主な選択肢は2つです。
・コンチェルティア(1?6番街・大通り・広場)を案内してもらう
・無視する
他に起こしたい行動がございましたら、そちらでも構いません。
上記の通り二ェストルが声をかけると共に案内してくれます。
案内してもらう場合は8ヶ所から任意の場所を選んでください。
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