【C1-5】風の分かれ道
美しいものと聞いて何を思い浮かべるか。
リナリアの問いかけにティキは答えた。
>「手です」
>「でも私は、持ってるだけで人生を威張れる手の方が好きです。-あなたの手も、私はとても美しいと思いますよ」
「あら......褒めてくれてありがとう。
そうね、あなたは間違っていないわ。
人は......強く信念を持って生きた人はとても美しい。
私も、常々そうありたいと願っているわ。
あなたたちにも、気持ちがあれば彼女も動かせるかもしれない。
――ああ、そうだわ。あなたの手もとても綺麗よ?」
* * *
リナリアは問う。
タタラがどうしたいか、どうすべきかが大事なのではないかと。
それを聞いたタタラが迷いながらも出した答えは。
>だから、わたしはこの奥には行かない」
この先に進まないという決断だった。
「そうか......ごめん。
――ありがとう」
オレットは少し驚いたあと、タタラの複雑な感情を慮り、謝罪と感謝の言葉を述べた。
短くも、穏やかに。
「あなたがそう決めるのならば、私は何も言わないわ。
あなたを咎めることができるとしたら、あなたの心だけ。
私にはそんな資格なんてないもの」
リナリアはタタラを説得するつもりもないようだ。
「奥に進むのならこれを付けていくといいわ。
テンペストが好きな花なのよ。
――勿論、そこの可愛いあなたにも」
リナリアが渡してくれたのは彼女も身につけている桃色の花飾り。
沢山数があるようで人数分は優に用意できそうである。
勿論タタラなど残る者の分もありそうである。
その中の一つはニコデムスのためのものであり、最後にそっと手渡した。
「ありがとう、もらっていくね」
オレットはリナリアの手から丁寧に受け取って帽子に飾る。
他の冒険者たちも好きに受け取って、好きに飾ることができるだろう。
先に進むティキとプラリネも彼女から受け取れる。
ヴェンデルベルトも進むのであれば勿論。
――そして彼らは先に進む。
嵐の妖精の待つ場所を目指して。
* * *
冒険者たちとオレットがこの場を後にして。
リナリアとこの場に残る選択をした者だけが残された。
「ねえ、せっかくだから歌でも歌わない?」
リナリアは緑色のハープの弦を軽く弾く。
風が跳ねる音がした。
「それとも、気が変わって進む気になった?
私はどちらでも構わないわ......これからこの場所で歌うだけ」
らららと、軽くメロディーが奏でられる。
* * *
「うわ......!」
冒険者とオレットが先を進んでいこうとすると、強い風が吹き込んでくる。
それはこの先に進むのをまるで拒むように。
「......あれ?」
しかしその風は最初に感じた勢いの割に強く押し出すような感触がない。
その風を弱らせているのは、先程リナリアから受け取った花であった。
桃色の花弁に触れると、まるで機嫌を直すかのように強風は柔らかな風になる。
この風ならば、きっと進んでいけるだろう。
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あんみつ@GMより
リナリアの元に残るPCはいつでも進む行動を選択することができます。
気が変わったらいつでもどうぞ(*´∀`*)
まだ行動を決定していないPCもいつでもどうぞ!(・∋・)
残ることを選択したPCはリナリアに歌のお誘いを受けています。
勿論無視しても構いません。
進むことを選んだPCはリナリアから桃色の花飾りを受け取ってください。
好きな場所に付けていただいても構いません。
既に使用されている部位に付けていただいても大丈夫です。
進むPCは風に対する生命抵抗判定をお願いします。目標値は20です。
桃色の花を好きな場所につけている場合、目標値は10になります。
ニコデムスも進む場合は生命抵抗をお願いします。ゴーレムは要りません。
失敗しても3回までやり直せます。
3回失敗すると、リナリアのところまで戻されます。