美しいもの、価値あるもの
「テンペストはね、風の妖精。
退屈しちゃったというよりかは、簡単に言うと飽きちゃったの。
もうこの世の美しいものはあらかた見ちゃったって。
でも、そんなことあるはずがないわ。
人の数だけ美しいものはこの世界にある。
――ところで、美しいものと聞いてあなたたちは何を思い浮かべる?」
テンペスト、嵐の妖精。よくよく聞けば、以前聞いたことがあったかもしれない。
だが今はそれよりも、リナリアの問いについて答えよう。
「手です」
「幾度もの鍛錬、潜り抜けた死線、その全てが刻み込まれた父のあの手。父は傭兵ですが、学者でも、職人でも、その者の不撓の人生、生き様が嘘偽りなく表れたその証こそ最も尊い」
自分の手を見つめる。幾度皮を破り、爪を剥がし、痣を作ったかはわからないが、それでも父にはいまだ及ばぬ。
「もし私があんな手だったら、それだけで一生を誇って死ねる。私にとってはあの手が、この世でいっとう美しいものです」
「珍しいもの、金になる価値のあるものならこれがあります。龍の目から作られた魔法の宝石」
右耳のピアスを指さし言う。蒼の龍から預かったこれは、彼女の目。
でも、これは私のものじゃない。
「でも私は、持ってるだけで人生を威張れる手の方が好きです。-あなたの手も、私はとても美しいと思いますよ」
* * *
「......みんなに、聞いて欲しいことがあるんだ
わたしにはやりたいことがある。すべてのものが持つ可能性を伝えること...」
リナリアと話し終えた後、タタラは自らの心の内を語りだした。
その長い語りの後、
「それでいいよ。私はさらに奥へ進む」
とだけ言った。
来ないのであれば、それもいい。
自分で考え、出した答えだ。臆病だとか、それも勇気だとか、言うつもりもない。
そんなことはない、お前にも魅力はあるはずだと適当な言葉をかけることこそが、私にとっては耐えられないのだ。
聞いてどう思ったか、それを言うのは尋ねられた時だけでいい。
『ニコ。行くぞ』
ニコデムスはしばらくリナリアの方を名残惜しそうに眺めてはいたが、やがて正面を見据える。
『いい子だ』
ではまた、とリナリアたちに声をかけ、再び私は妖精を従え、雷龍に跨った。
PL
また遅めの投稿すみません。
ティキ
19:16:14 キャスパー@ティキ まもち 2d+4 Dice:2D6[4,5]+4=13
弱点はわからず。
19:38:51 キャスパー@ティキ サモンフェアリー行使 2d+5 Dice:2D6[4,6]+5=15
再度エコー呼び出し。
サモンフェアリーと書いてますがミスです。フェアリーウィッシュ行使です