歌の妖精
でも、依頼達成は優先すべきことだし...そもそも、その人が友好的とは限らない
ナイトメアが殺戮目的で人を襲うという話はよく聞くし...でも、先入観だけで決めつけることはしたくない...
わたしには、どちらも薦められなかった
プラリネさんとヴェンデルベルトさんの提案で左へ進むことになった。オレットさんも歌が気になるらしい
好奇心というのは、強いものだな。みんなの考えが嬉しかった
* * *
しばらく歩いて、泉のあるところについた
女の人が歌っている。薄い赤の髪に花飾りをつけた、とてもキレイな人
ふと、入口で見た風景を思い出した
>「あら、珍しい。
この森に人が訪ねてきたのはいつ以来かしら?」
こちらに気がついて、驚きながら声をかけてくる
>「もしかして外の森で歌を歌っていたのは貴方たち?
なかなか上手だったから、ついつい聞き惚れていたわ。
聞いてたら私もだんだん歌いたくなって――ここでこうして歌を歌っていたの」
予想とは少し違っていたけど、結果的に妖精に近づくことができた。つまり、作戦成功だ
やった! 心の中でガッツポーズ
少し元気がでてきた
* * *
>「まさか、本当に......?」
オレットさんの表情をみれば、この人はただ者ではないことがよくわかる
>「そう、縁あってこのテンペストの世界に置いてもらっているの。
もうずっと長い間。」
ついに目的の名前を聞くことができた
この不思議な世界はテンペストさんのものらしい。伝承の妖精は実在したんだ!
>「彼女なら、この森の奥にちゃんといるから。
きっと退屈してるから持って行ってあげたら喜ぶと思うわ――美しいものをね。
ただ、逆に醜いもの、汚いもの、穢れたものに対しては不機嫌になるの。
例えば――あなたのような」
ドキリ 指先がこちらに向けられた。角と痣はしっかり隠していたはずなのに
帽子と鎧を身につけていることを手で確認する。心配になって、目でもしっかり確認した
なるほど、この人は妖精か、それに近い存在なんだろう。目ではない感覚で、穢れが見えるんだ
「...お...はじめまして、わたしはタタラ・スマイサー
なにから話せばいいのか...」
相手の気を害さないように、慎重に言葉を選ぶ
「...わけあって、ここのすごい妖精に力を貸してもらうために探していて、
わたしは、その護衛のためにここに来ていて...
勝手に入ってごめんなさい
ここが安全とは限らないから、念のためにわたしも入らせてもらったんだ」
事情の説明と謝罪。これはみんなに任せるわけにはいかない
「ここが安全なら、すぐに出ていこうとは思うけど...
なにか危険はあるのかな?
人を攻撃するものがいるとか、この奥にいる人とか...
この世界がいきなり閉じることがある...とか」
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PL玉鋼より
この状況でこんな言い回しをされたら、動揺して勘違いするでしょう
この森の安全について質問
聞きたいことがもうひとつありますが、とりあえずここで一区切り