【C2-1】花の名を持つ女
甘い香水の匂い。
それは蜜のように蠱惑的で。
コンチェルティア4番街の一角。
演者たちがこっそり立ち寄り愛を囁き合うという禁忌の場所。
――と言っても、雰囲気がお洒落なだけのバーである。一見は。
今、クーガの目の前に座っているのは金色の髪をしたエルフの女である。
彼女の魅力的なスタイルは、決して踊りのためだけではないだろう。
なにぜ、彼女は酒場で客を魅了する踊り子であると同時に。
――知る人は知る、花の夜想曲の顔役であるのだから。
「あなた、クーガって言ったっけ。
たしか......前にもこの街に来てたでしょう?
私はデイジー、よろしく頼むわね」
彼女は――花の夜想曲はどこまで知っているのだろうか。
すべてを知っているのだろうか。
「あなたが聞きたいのは......一週間前までの事件のことかしら?
言わなくてもいいわ、あなたの顔を見ればわかるもの」
クーガの目の前で白く長い指をくるくると回す。
一瞬だけ伸びた艶やかな指先がクーガの右頬をすっと撫でた。
「ところで、あなたは欲しいものは何となら交換できる?
特に意味のない質問よ、別に答えなくてもいいわ」
流れるような金色の髪を軽く撫でる。
髪の隙間から彼女の首筋に見えたのは花のタトゥー。
「この街でもっとも価値のあるものって何かわかる?
名誉?お金?いいえ、違うわ。
力?知恵?勿論違う。
この街で一番価値のあるもの――それは魅力。
だから、私があなたに求めるのは魅力だけ」
赤い血のような酒をごくりと飲む。
唇が濡れる。
「あなたのいいところ......魅せて。
思った通りなら、きっと私は応えてあげる」
甘い声。微笑み。
それは妖精のようで。
それは天使のようで。
――悪魔のようで。
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あんみつ@GMより
こちらはクーガとプリアーシェ用の新しいカテゴリです。
今回はクーガのみこちらのカテゴリをご利用ください。
クーガは4番街の雰囲気のいい酒場に到着しました。
【デイジー・セレナディア】を『演者の一覧』に登録しておきます。
クーガは質問の用意と、魅力のアピールをお願いします。
どんな方法でも構いません。
困ったときは、お金を魅力として出せば最低限のことは聞けます。
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