まずはご挨拶
> 「こいつもあんたの連れか?」
残念ながら、と答えたい衝動に耐えて、ただ、はいと答える。
「ルキスラから同道してきた仕事仲間です。
一緒に依頼を受けています」
クーガさんの傍らで寝ているグラスランナーのほかに、見知った顔がいくつか見える。
フィンさんとニェストルさん、それにフィンさんと一緒にいる男の子。アポロ。
――銀髪の男の子。
モーリスさんの言うもうひとつの共通点を考えるならば、彼も候補の一人ではあるのかもしれない。
さてやるべきことは何だろう、と考えて、ひとまずは状況を整理しなければという結論に達した。
クーガさんに尋ねるべきことはもう尋ねている。
まずは酔漢が誰なのか、なぜこうなっているのかを知らないことにはどうにもならない。
となると。
「アポロ、さっきはきちんと挨拶もせずにごめんなさいね。
フィンさんとネスさんを案内してくれてありがとう。
よかったら、私も近いうちに街を案内してもらっていいかしら?」
心持ち腰をかがめ、視線の高さを低くしてアポロに挨拶する。
「それと、そこのお兄さんも私の仕事仲間なの。
見た目はちょっと怖いかもしれないけど、腕利きの冒険者なのよ。
私たち、ルキスラから来てこの街で仕事をしてるんだけど、来たばかりだからよくわからなくてね。
あなたが街に詳しいなら色々教えてもらえると助かるんだ」
にこりと笑顔を浮かべて、どうかな、と首をかしげてみせる。
「さっきもちょっと言ったと思うけど、フィンさんやネスさんとは同じ店の冒険者なの。
少し、仕事の話でお友達を――フィンさんを借りてもいい?」
アポロにそう話してから普段の姿勢に戻り、フィンさんとネスさんに声をかける。
「お話したとおり、私とクーガさんは今、この街で仕事をしています。
先ほどの宿のご主人、アンネさんからは、協力をいただいた上で問題が解決すれば、報酬を頂けるというお話をいただきました。
私たちの依頼人にも、協力に応じて報酬を出してくれるよう、交渉はできるかと思います。
もしお手すきでしたら、可能な範囲でご協力頂けると心強いのですけれど。いかがですか?」
ああそれから、と付け加える。
「ご協力いただけるのであれば、少し込み入った話をしなければなりません。
諸々報告などもありますから、私たちの依頼人のところで、というのはいかがでしょう」
■PLから
ひとまずひろうずさんがまとめてくださった方針に沿ってお話を振ってみます。
アポロの好感度を稼ぐべく下手に出てみるなど(''