【E1-3】それぞれの終わりと始まり
一通りの話を終えた後、ヴォルディーク邸のとある一室にオレットと冒険者たちはいた。
「しばらくこのお屋敷に滞在させてもらうことになったんだ。
今回は僕の依頼を受けてくれて本当にありがとう」
オレットは爽やかな笑顔で感謝の辞を述べる。
「さっきカイルさんに力を貸して欲しいと言われて――本当に嬉しかった。
僕の頑張りは無駄じゃなかったんだって知ることができたから」
オレットの望みとはセシリアの救出であった。
テンペストのところに行きたいと思い立ったのもそれが理由だ。
それを弟であるカイルから認められたのだから、喜ぶのも無理はないだろう。
「――これは僕からの気持ち。
本当にありがとう」
オレットから手渡されたのは報酬相当の宝石だ。
ガメルをそのまま持ち歩くのはザルツを行き来する詩人にはかさばるのだろう。
「カイルさんも言っていたけど。
――僕は予言通りにセシリアさんを助けに行くよ。
だからもしその時よければ力を貸してくれたら嬉しいな――無理は言わないけどね」
オレットから受け取れた報酬はコンチェルティアですぐに換金できるだろう。
それを使ってコンチェルティアで好きなお土産を買っていけるはずだ。
民芸品や衣料品、装飾品などは色々な種類が用意されている。
――望みのものはきっと見つかるだろう。
* * *
街が落ち着いた頃二人の男女がヴォルディーク邸を訪れてくる。
一人はフィンとクーガが出会ったユピテル。
おそらくもうひとりはその妻であろう。
「アポロを迎えに来ました。
――その様子だと無事みたいですね。
本当に......本当にありがとうございました」
父の後ろで母は涙を流している。
安堵と喜びから来る綺麗な涙だ。
それはアポロへの愛情の大きさを表しているだろう。
――アポロはというと来客用の部屋のベッドですやすやと眠っている。
優しく起こして、両親が迎えに来たことを告げれば。
きっとこう言うだろう。
「今日はいろいろあったけど楽しかったぜ!
......今度はうちに来いよな!
秘密基地も案内してやるから......絶対だぞ!」
* * *
――あれからさほど時は経たぬ頃。
ついに赤髪の男の精神は限界に達した。
もともと男を狙わず弱い者ばかり殺していた男だ。
その精神が崩れるのはあっという間のことだったであろう。
赤髪の男から追加で聞き出せたのは以下のことであった。
男に直接命令をしたのはコンダクターの一人。
"コンサートマスター"の名を持つ黒髪の女――ヴィオーラ・ストラディバリ。
信仰者と演奏者らのトップに立ち教主の名の下彼らに使命を授けるのだという。
またこの男が教団に入った理由はとある犯罪行為を犯していたところを彼女に見つかり。
いつの間にか勧誘されていたとのことであるため、構成員を増やす役目もあるのだろう。
そもそも探求者と関連が深いとされる夢幻楽団は彼女の影響力下にあったとの説もある。
またコンチェルティアやルキスラの一部に教団の下っ端共が屯する場所があることも知れた。
それぞれの街の衛兵に告げれば、彼らが起こす小さくも厄介の事件の芽を潰せるかもしれない。
それ以上のことは男は決して答えないだろう。
いや答えられないのだ。
彼は間違いなく――単なる"捨て駒"に過ぎなかったのだから。
* * *
今日もモーリスは書物の中で生きている。
パイプを咥えながら、彼はまた新たな謎を追いかけているのだろうか。
「――おや、君か?
例の事件は解決したようだね。
その行動力――さすがは冒険者と言ったところか」
プリアーシェが訪れた時には既に彼は事態の収束を知っていたようだ。
盗賊ギルドの構成員ではないため情報を入手したというわけではないのだろう。
おそらく一度起きた町の混乱やその他諸々から推理した結果であろうか。
そんな彼にとっておきの情報を教えれば。
彼は知識欲が掻き立てられ、感謝の言葉を送るであろう。
――そしてそれは赤の他人ではなく。
多少相互を知る関係へと距離が近づいた証となるはずだ。
* * *
他の神殿は1番外に集っている中で。
唯一5番街の中にひっそりと佇んでいるのがシーンの神殿である。
それはこの神殿に孤児院が併設されているのに由来している。
クーガが訪れた頃。
子供たちの笑い声。
そしてそんな子らに時に優しく、時に厳しく接する神官たちの声が聞こえてくるだろう。
――まだ誰もクーガには決して気がついていない。
* * *
ルキスラの郊外。
そこに騎手たちが利用するライダーギルドはあった。
「よう、お疲れさん。
今回の依頼は上々だったかい?」
来訪者を快く迎えてくれるのはケイトである。
彼女はきっと冒険の話を気持ちよく聞いてくれるだろう。
ケイトとはそういう女である。
「またしばらく俺がこいつの面倒を見ることになるんだな。
まあ安心しときな。
今よりもっと元気にしといてやるからさ。
次はもっとでっかい冒険に出ても問題ないように、な」
ケイトはそう言いながらニコデムスの体を撫でる。
ティキにとっては少しの別れであるが――どうということはない。
彼はしっかりこの場所で生き続けているはずだから。
またすぐに......その背に乗って冒険に出る日が来るだろう。
* * *
それから幾つか時が過ぎた頃。
カイルの許に一通の書簡が届く。
「地下神殿らしき存在の場所がわかった」
――白花祭りを目前にしたある日の出来事である。
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あんみつ@GMより
エンディングシーンその3です。
こちらは各PCに個別の部分です。
何か忘れてるとかあればお教えください_(:3 」∠)_
内容についてはPCが好きな行動を取れるよう極めて簡潔に書いております。
皆さんからこのカテゴリに記事の投稿を確認できた後、それぞれ解放処理が行われます。
もし投稿が全くなかった場合でも一週間後に強制的に解放処理を行います。
ちなみに投稿する記事についてはエンディング全てに返答したり長い文章を書いたりなどする必要はございません。
森ルートのPCは剣のかけら9個分の名誉点をお振りください。
ダイスの振り分けはお好きにどうぞ。
またアンデッドたちの剥ぎ取りを忘れていたので行うのでしたら一緒にどうぞ。
街ルートのPCは剣のかけらはありませんが今回の活躍で剣のかけら10個分の名誉点を得たとします。
こちらもダイスはお好きにお振りください。
その他細かな報酬処理につきましてはまた改めて記事を投稿いたします。
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