弱虫の結果
ヴェンデルベルトさんの話を聞いたとき、頭の中で雷が光った。ひょっとして、リナリアさんが知ってるんじゃないかな
わたしにも探す手伝いができるかもしれない!そう気づいただけで、もう落ち着けなくなった
そこにできそうなことがあるなら、やってみなくちゃ気がすまない!
入り口を開いてもらうには、オレットさんが必要だ
でも、森の奥には狂暴な動物がいるし、あの信仰者の仲間がうろついてるかもしれない。わたし一人じゃオレットさんが危ない
せめて、今持っている一人分の報酬で、ティキさんと交渉しなきゃ
一言、確認するだけだよ。それだけで状況が大きく好転するかもしれないのに
言うんだ。 ほら!
「ぉ...
みんな、わたしを連れていってくれてありがとね
すごくたのしかったよ!それじゃあ...」
お願いしなかった
やっぱり申し訳ないような気がしたのが8割。この宝石を手放したくないのが2割
案外なんとかなるかもしれないって楽天的な考えが、ほんのちょっぴり
* * *
町の外れに毛布を置いて、一晩寝た。明るくなる少し先に町を発って、森の前で太陽を待った
川を越えて、警戒しながら慎重に進む。一人になってみると、みんながそばにいてくれることがどれだけ心強いのか、改めてわかる
でも、そんなこと以上に気がかりなことがあった
「また森に入っててごめんね。リナリアさんにひとつ聞きたいことがあるんだ
わたしが勝手に来ただけだから、オレットさんは関係ないよ
だからもし、怒るならわたしだけにしてね。オレットさんを見捨てたりしないでね」
そんなことを何回も呟きながら歩いた。きっとわかってくれると思う
無事に目的地に着いた。この大きな木を見るのはこれで2回目だ
近づいて確認してみる。あのときの入り口は...なかった
「あのさ、テンペストさんが教えてくれた、オレットさんが探している人について予言でね
カマル地下聖殿が大事なんだって、みんなが考えたんだけどね、どこにあるのかわからないみたいなんだ
それでさ、その神殿とリナリアさんの歌が作られたのは、同じ魔法文明時代だって聞いたんだよね。もし何か、探すヒントを知っていたら教えて欲しいな」
間を置いて声をかけながら、入り口を開けてくれるのを待った
日が傾いてきた。あんまり長くいるのも悪いし、諦めて帰ろう
「...ごめんなさい」
* * *
「あ、オレットさん。突然だけど、伝えたいことがあって」
日が落ちそうな頃、話をした屋敷まで戻って、オレットさんのところへ案内してもらった
「カマル地下聖殿、だよね。予言にあった重要な場所
ヴェンデルベルトさんから聞いたんだけど、そこは魔法文明時代に作られたらしいよ。リナリアさんが歌を作ったのも、同じ時代だったよね?
だからさ、リナリアさんなら、何か知っているかもしれないなーと
ヒントになればと思って、伝えておきたかったんだ。それだけ」
「さがしもの、見つかるといいね」
* * *
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ルキスラへの帰り道、太陽に宝石を透かしながら歩いている
これを売って、お母さんとお父さんにおみやげを買っていくこともできたけど、今はまだしない
ここにまた来れたら、夢が叶ったら、持っていこう。素敵なお話しと一緒に
冒険を見返しながら、明るい未来を願った
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PL玉鋼より
ヴェンデルベルトが特になにも言わなかったら、=線の上はなかったことにしてください。どうしても、どうしても載せたくて、このような形で投稿させていただきます
申し訳ありません。問題があれば削除いたします
リナリアの歌が聞こえてきてヒントをもらい、スッキリルンルンエンドと迷ったのですが...こちらにしました
感想も書きたいことが多いので、挨拶として別に投稿します