【D1-5】美の献上

 GM(あんみつ) [2015/11/20 23:55:55] 
 

>「逃がさん。―ニコ」

ティキとニコデムスのコンビは軽やかに信仰者の動きを押さえ込んだ。
種族を超えた絆に基づく動きは――実に美しい。

>「何を話そうが話すまいが、私はお前を殺す。―が、一応聞いておく。お前は何者で、目的は何だ」

槍を構えたままティキは問う。
この者は一体何故――この世界に入り、ティキたちを襲ったのか。

「貴様らに向けて語る言葉はない。
 最後に紡ぐ言葉があるとすれば――偉大なるメティシエ様と素晴らしき教主様の栄光への祈りだけ」

ティキの問いかけに答えるつもりはないようだ。
この男は壊れているのだろうか――いや、彼は正しく生きているつもりなのだろう。
たまたまティキとは道が違っただけ。
すれ違いは破滅を生むという――彼はティキの槍で命を奪われた。
自分が何者なのか......決して明かすことなく。

   *   *   *

オレットが再度――いや、今度こそテンペストと話をつけるために先へ向かうと言うと。

>「もちろんだ」

>『わかりました。俺も付いて行きますよ』

ティキにプラリネ――そしてヴェンデルベルトはそれに同行する旨を告げる。
一方タタラは......。

>「わたしは、ベストを尽くしたいから、ここで待ってるよ
>だから、遺体を預けてくれないかな?」

ここに留まる意思を見せる。
ベストを尽くすため――その意味は何であろうか。
オレットは少し寂しそうな顔をしてから。

「......わかったよ。
 気をつけて、タタラさん」

軽く頭を下げてから森の奥へと向かう。
目指すは――テンペストの祭壇だ。

   *   *   *

こうしてタタラが一人残されるのは何度目であろうか。

彼女を止めたのは神官としての責務か。
それとも自らに流れる呪いか。

リナリアはタタラに近寄って語りかける。

「ねえ、あなたのベストって何?」

   *   *   *

再度テンペストの前に冒険者とオレットは姿を現す。

『うーん、早くも遅くもないな。
 まあ今日は機嫌が悪くないから話を聞いたげる』

テンペストの様子はさっきよりかは多少機嫌がいいみたいだ。
ほんの少しくらいは交渉がしやすくなったかもしれない。

オレットは周りにいる冒険者たちの様子に気を配りながら。
意を決したように一歩前に歩み寄って口を開く。

『テンペストさん......貴女の力が借りたくて僕は来ました。
 ここの皆さんに守ってもらいながら。
 それでも――どうしても力が借りたかったから』

オレットの表情はひたむきでまっすぐである。
一方のテンペストは翡翠の椅子に片肘をつきながら話を聞いている。
乗り気でない態度に見えるがもう幾百......千年を超えるかという期間ずっと......。
――ずっと頼みを聞いてきたため仕方ないのか。

『――理由は?』

短いセリフではあるが、テンペストは少なくとも次を促した。
オレットは少し胸に手を当てて、息を整えて続ける。

『助けたい人がいるから』

オレットの言葉は力強くはないが確かに凛と響いて。
彼の心にこもった決意の強さが見て取れるだろう。

『――マジで陳腐』

けれど、テンペストにはそれだけでは響かない。

『そんな願い世界中に時代中に溢れてる。
 その程度の頼みをあたしに叶えて欲しいって?
 ......もしかしてバカにしてるわけ?』

多少機嫌が悪くなってきたらしい。
語気も少し荒々しい。
嵐が――始まろうとしているのか。

『あまり面白い話にできなくてすみません。
 ――でも僕の気持ちは嘘じゃないし......譲れないから』

それでもオレットは折れない。
見た目は穏やかな吟遊詩人に過ぎないけれど――彼には彼の芯がある。

   *   *   *

『――わかった......じゃあ、こうしない?
 あんたたちにあたしを満足させるものが出せるなら。
 力を貸してあげる――わかりやすいでしょ?』

テンペストの逸話を思い浮かべると――いずれはここに終着するはずだったのかもしれない。
彼女が力を貸した者は皆美しいものを手にしていた。
逆に言えば、彼女が気に入るもの――つまり美しいものを要求するのは当然のことか。

『言っておくけれどただの歌じゃ満足したりしないから。
 それともリナリアよりもいい歌聞かせてくれる?』

――ただの歌じゃ駄目。
これはオレットにとって一番やりやすい方向性は前もって潰されたと言える。
尤もだからといって全ての道が閉ざされた訳でもない。

「歌だけじゃ......駄目か」

オレットは考え込んでいる。
テンペストにとって美しいもの――それは何であろうか。
テンペストは多くの美しいものに囲まれて生きていて――その目は肥えている。
そんな彼女がそれでも美しいと評するものは何か。
冒険者たちの手元にあるかどうかは、彼ら自身のみが知るところである。
  

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あんみつ@GMより

HPとMPは簡単に処理して頂ければ問題ございません。

タタラは残るとのこと、了解致しました。
またまたリナリアが一緒にいますね。
話しかければ、きっと応えてくれるでしょう。

ヴェンデルベルト・ティキ・プラリネはテンペストのもとに再度向かいます。
彼女が要求するのは美しいもの、綺麗なものだそうです。

種別は問いません。たいしたことがなくても量で稼げます。
勿論質があれば一発です。
変化球の場合もクリーンヒットするかも。

テンペストは物質的には緑色のものが好きですね。
あとは妖精なので自然のものとか。
女型なので可愛らしい、またはきれいなものが。

アピールするところはなんでもアリです。
形あるものでもないものでも構いません。
勿論PCだけでなくオレットから更に何か出させても構いません。
まだ全部出し切ったわけではないですからね。

一応オレットに歌わせればそこそこの加点はゲットできますね(*´∀`*)
まあここが最後のメイン行動となるかと思います。
お好きなようにお書きくださいませ!