熱意の在処

 ヴェンデルベルト(柑橘) [2015/11/23 20:35:45] 
 

>『助けたい人がいるから』

オレット氏の願いはそういうものであり、それをテンペストは

>『――マジで陳腐』

そう評した。

私も、そう思う。そんな願いは吐いて捨てるほど、誰にだって人生で1度はそう思う事のあるような願いだ。

「オレットさん」

私は、それが気に入らなかった。あぁ、全くもって気に入らない。
彼が、この期に及んで言葉を尽くそうとしないことが。言わないことがあることが。

憤りすら感じるほどに、テンペストに同意せざるを得ないほどに。

「貴方に、私は聞きましたね。誰を助けたいのかと。
 貴方はその時言葉を濁した。私も追及しなかった。
 その時と、今では状況が違いますね。私達は貴方を妖精の元へお連れした。
 貴方との契約はすでに果たされています。そうですね?」

そうなのだ。少なくとも私は『オレット氏を妖精の元へ連れて行く』事が任務だと思っており、彼が妖精と契約できるかどうか、はこの任務に入っていないと思っている。

「オレットさん。もう一度聞きます。
 貴方は誰を助けたいのですか。
 その人は今どういう状況なのですか。
 どうして、貴方が助けなければならないのですか。
 その人が忘れているのに、何故なのですか。
 貴方とその人に、何が起こったのですか。

 貴方は、妖精の力を借りて、何をする気なのですか」

彼が何をしたいのか、彼が言わないので分からない。助けることが善とは限らず、独りよがりでないと何故言えるのか。

それが分からなければ、私は彼の為にこれ以上の尽力をする価値を見出せないのだ。

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秘密主義のオレットさんにお爺ちゃんおこです(・ω・)

他の方はお爺ちゃんに怒っても良いですよ!