贈り物
「歌でも、歌っていてください」
私は、怒りを覚えながら作業に移った。
オレットはただ願っただけ。私が『会話の許可』を得た意味を分かっていない。あんなつまらない問答のために彼我の血を流したのでは、断じてないのだ。
ヴェンさんが何も言っていなければ、間違いなく私が怒鳴ってでもいただろうか。痴れ者め、とでも。
『ニコ。鱗をもらうぞ』
テンペストは、龍の寿命を知っているだろうか。あらゆる生物の中でも特に長命であるが、体が完成する前の幼児でいるのはたったの30年間、今の一瞬だけ。
幼龍、ニコデムス。紫紺の鱗を持ち、その色は体の端では赤黒くなる。
鱗一枚一枚を見ても、それは間違いなく美しい。
それをよく磨いて花弁の形になるよう最低限の成形をし、また細く割って花糸、花柱、花柄を作る。最後に角を花の中央へほんの少し削り、花弁の根元に影を作った。
接合には切れ込みと穴を用いて組み合わせることにした。
作業を一度始めると、手元以外は見えなくなった。手を動かす以外は考えられなくなった。
完成したのは、テンペストが好きだと聞いた、あの桃色の花を模した工芸品。色こそ違うが、またとない素材で作ったものであるのに違いはない。
『これでどうですか。ここの翡翠の枝ででも作れる。もっと精巧なものも、何輪でも。』
PL
遅くなりました。
テンペストに渡すのはニコデムスの鱗などで作った花の工芸品です。
接着が必要なら、保存食の干し米を噛んで使います。
21:52:36 キャスパー@ティキ 見識 ヴォルディーク家 2d+4 Dice:2D6[3,1]+4=8
21:52:47 キャスパー@ティキ セシリア 2d+4 Dice:2D6[2,5]+4=11
21:53:23 キャスパー@ティキ 工作 木工職人4+器用 2d+8 Dice:2D6[4,4]+8=16
達成値16。木工職人技能で無理があると思う分だけペナで引いてくださいな。