【D2-1】迫り来る危機の前に
奏での広場に集結した冒険者たち。
まず必要なのは交互に自己紹介か。
アポロの目線にちょうど合うようにプリアーシェは自らの体をかがめる。
>「アポロ、さっきはきちんと挨拶もせずにごめんなさいね。
> フィンさんとネスさんを案内してくれてありがとう。
> よかったら、私も近いうちに街を案内してもらっていいかしら?」
「べ、別にたいしたことじゃないし......」
ちょっとだけアポロは照れているようだ。
すんなり目を合わせてはくれない。
>「さっきもちょっと言ったと思うけど、フィンさんやネスさんとは同じ店の冒険者なの。
> 少し、仕事の話でお友達を――フィンさんを借りてもいい?」
「問題ないぜ、フィンなら好きなだけ使ってやれよ!
どんくさいけど、いじめないでくれよな!」
フィンにたいしてこんな口の利き方をするのは、多少気を許しているというのが大きいのだろう。
フィン個人の体格と性格が原因のような気もしなくはないが。
* * *
フィンとネスがアポロの危機を悟り、クーガとプリアーシェに協力の旨を述べると。
「あんたらもプリアーシェらの依頼を手伝うのか。
俺はグラディウス、この街の冒険者だ。
事件が解決するまでよろしく頼む......そっちのお前もな」
グラディウスが二人に名乗る。
ついでにクーガにも。
ただなんとなくクーガが一番気が合いそうだと思っている感じはある。
まあ残りの3人はグラディウスとあまりリズムが噛み合わなさそうな感じはある。
ちなみに魔動機文明語で交わされる秘密の会話は誰も理解していない。
アポロはつまらなそうに足で遊んでいる。
グラディウスは言語の種類はなんとかくわかっているようだが、内容までは理解していなさそうだ。
エースはまだまだ眠っている。
そんなエースを。
>「おい、起きろ。」
クーガは酒瓶で小突いて起こそうとする。
「ぎにゃっ」
エースは変な声を出しながら薄らと目を開く。
「ふわぁ......な、な~に~?」
大きく欠伸をしながら右手で目を擦る。
>「さて、エース。お前さんに二つの道を示してやるよ。」
まだあまりエースの意識ははっきりとはしていないようであるが。
クーガの言葉にはうんうんと頷いている。
眠いからかさっきより若干素直である。
>「これから俺たちについて行き身の安全とこの高級な酒を手に入れる。」
「酒!」
しかし、その寝ぼけた態度も酒を認識した瞬間一気に覚醒する。
そしてそのあとはただひたすらおお振りでクーガの言葉に頷き続けるだけであった。
つまりエースはクーガについて行くことにしたらしい。
クーガとプリアーシェの目的地。
それは彼らの依頼人――カイルの待つヴォルディーク邸。
「俺も行くぜ」
グラディウスはそこに向かうことに問題はないらしい。
様子を見た限り若干何らか思うところはあるらしいが、アンネから任された以上ついてくるようだ。
最後にアポロはと言うと。
「え、ヴォルディークの屋敷に行くの?
あそこに行くと呪われるって前聞いたぜ?
......本当に?フィンも行くの?」
子供なので呪いとかそう言った噂話は必要以上に気になるのであろう。
ただ、どことなくアポロはフィンが行くかどうかを強く気にしているようだ。
フィンがヴォルディーク邸に向かい、アポロを説得すれば彼はきっとついてくる。
* * *
そして、プリアーシェとクーガは再びヴォルディーク邸。
二ェストルとフィンにとっては初めてであるが。
邸内は過去の栄光もありなかなかに豪奢である。
玄関に飾られた青い髪の少女と少年が描かれた絵画の奥を通り、案内されたのは応接室。
「まさか、いつの間にか数が増えているとは思わなかった。
調査は順調か?
何かわかったことがあるならば、教えて欲しい」
プリアーシェとクーガに向けて言葉を投げかけるのは青髪の青年。
ヴォルディーク家当主――カイルである。
「カイル・ヴォルディークだ。
子供もいるようだが、どういった関係だ?」
とりあえず一人一人の顔をカイルは眺めてみる。
その顔はまだまだ幼さが残っている。
「俺はグラディウス。
あんただろ、うちの店に紹介状を書いたのは。
まあ俺がここにいるのは、その関係さ」
グラディウスはすぐさまカイルの問いかけに返答した。
流石に、こういった場にも少しは慣れているのだろう。
一方のアポロはひたすらキョロキョロとしている。
それはエースも同様だ――こちらはどうやら酒を探しているらしい。
* * *
「そう言えば、ミハイルから連絡があった。
キャピレット家の方で動きがあったらしい。
事件とは関係あるかどうかわからないが、無限の探求者絡みかもしれないことについて情報があるそうだ。
詳しいことは直接キャピレット家に赴くかミハイルに聞くといい。
聞ける限り聞いたところでは、街中でアンデッドらしき存在の目撃証言があったらしい。
単純に公演用の衣装を見間違えた可能性もあるが......本来ありえないことではあるしな。
ミハイルは今、発見されたという3番街の外れの方に向かっているそうだが」
最後のはプリアーシェに向けての言葉だ。
キャピレット家の方で事件の関連で何かわかったことがあるのかもしれない。
なんでも街中でアンデッドを見たとかどうとか。
劇場が並び、奇抜な格好の芸術家も多いこの街だ、見間違いの可能性もある。
キャピレット家かミハイルのところに行けば詳しいことが聞けるだろう。
「俺の方で何かできることがあれば聞かせてくれ。
できるだけ全力を尽くそう」
カイルは若く、そして青く、貴族のなんたるかはまだ身についていない面もある。
だが、その分真っ直ぐな部分もある。
真っ直ぐさが今は姉であるセシリア関連に全て向いてしまっているのが多少良くないと言えなくもないが。
今この場所でカイルに頼みを告げれば、可能な限り対処してくれるそうだ。
もし他の場所に行かなければできない準備があるなら、出かける必要があるだろう。
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あんみつ@GMより
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クーガ、プリアーシェ組と二ェストル・フィン組は両方共こちらにお書きください。
グラディウスとエースはヴォルディーク邸へついて行きます。
アポロは多少渋りますが、説得すればついて行きます。
ここに来て説得シーンで一進行使うのはちょっともったいないので、
アポロもついていくことに行きましたので説得をお願いいたします。
さて、情報整理とアポロを守るための準備フェイズが開始いたします。
情報整理や準備については幾らでも時間をかけられてしまうので、
リミットを設定することにいたします。
具体的には次の次の進行までが準備フェイズです。
【D2-4】の場面で何らかのイベントが起こるとします。
どこでどのようなイベントが起きるかは明かされません。
動きによっては一部明らかになる可能性がございます。
準備フェイズでは現在PCがいる場所で条件的に可能であれば何でも行うことができます。
ただ別の場所へ移動が必要となる場合は、次の進行を待っていただく必要があります。
従って、各PCは現在いるヴォルディーク邸の他に【D2-2】と【D2-3】のそれぞれで、
最高二つの場所を訪れてその場所で何らかの行動を起こすことができます。
各PCが別々の場所に向かっても問題ありません。
期間内で必要であると思われる行動を是非お取りください。
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