【D2-8】狂った焔
クーガとプリアーシェは確実に赤髪の男が姿を消す瞬間を見ていた。
クーガは不死者を避けて庭を走り抜ける。
邸宅から姿を見せたグラディウスとエースを見つけると、
>「二人ともここは任せる。とりあえず聖水ばらまいとくから雑魚は気にすんな。
>後は、存分にやんな。」
ホーリーウォーターを入口付近に撒き散らす。
それは骨の戦士が邸宅に入り込む際には強固な壁となる。
「思いっきり暴れてやるぜ。
そっちはちゃんと守りきれよ」
グラディウスは剣を手に庭に向けて走り出す。
エースも嫌々ながらついていく。
クーガがヴォルディーク邸の中へ入り込むとミハイルとすれ違うだろう。
「あ、クーガさん。
下は僕がサポートします。
――任せてください」
ミハイルはスタッフを持って庭へ飛び出す。
プリアーシェからは庭で戦う彼らの様子が見て取れるだろう。
グラディウスとミハイルは極めて優秀な戦士と魔道士である。
エースも若干未熟ながらもグラスランナー由来のすばしっこさでアンデッドを翻弄する。
さして時間がかかることなく、下の騒乱は鎮圧されるだろう。
* * *
二ェストルはアポロを部屋の窓とドアから離し――ムリアンの群れを召喚する。
土の妖精ムリアンは――その蟻のような姿をアポロのいる部屋中に広がらせる。
「ね......ネス兄ちゃん、なにこれ?
うじゃうじゃしてるよー!」
ソファの上でアポロは気味悪がっているようだ。
妖精について詳しく知らぬ者にとっては仕方がないところであろうか。
ムリアンは部屋中に群れを広げながら、魔法で石のバリアを張る。
これでもしアポロに刃先が迫ろうとも――多少の防御にはなるだろうか。
――その後庭からクーガがアポロたちのとどまる部屋に駆け込んでくる。
>「今からこの部屋を魔法で施錠します!だれも、ここから出ないで!」
そして......そのタイミングを待っていたフィンが魔法で鍵をかける。
鍵を開けるには特別な技術が必要だ。
つまり鍵が開いたときは――敵が現れたとき。
* * *
ミハイルの魔法の援助を受けたグラディウスの大剣がデュラハンの本体を切り裂く。
プリアーシェの目から見て戦闘は極めて順調に運んだようだ。
「終わったな」
グラディウスは魔法などの攻撃を受けて多少負傷しているようだ。
「早くカイルさんの下まで戻りましょう」
ミハイルの言葉に。
「ああ、さっさと行くぞ」
怪我など気にした様子ではなくグラディウスも応えた。
もう一度その手にはエースを抱えている。
* * *
それから少しした後だろうか。
どうやら庭は落ち着いたようである。
グラディウスたちがデュラハンを片付けたのだろう。
フィンが閉ざした鍵がガチャリと開く音。
――来た。
ドアの隙間から赤い髪の男が消えていくのが見える。
しかし、もう遅い。
既に一匹のムリアンが這い上がっている。
まるでそこに透明の何かがいることを示すかのように。
「くそ、なんだこいつ......なんなんだ!
なんでうまくいかないんだ......!」
足の辺りに這い上がってくるムリアンを払おうと手を動かす赤い男の姿が明らかになっていく。
その男の眼は狂ったかのように焦点が定まっていない。
「コンサートマスター......教主様......。
俺は......俺は......」
彼は前後不覚な様子で口を動かした。
それを魔法文明語だと認識するのが先か。
左手に持ったワンドが文様を宙に刻んだと認識したのが先か。
――それとも最後に一発炎の玉が部屋に飛んでいくまで気づかなかったか。
「うわっ」
――強い熱気。
赤い強烈な色彩。
アポロの悲鳴が上がる。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
下のアンデッドはNPC陣で危なげなく突破できます。
ただちょっと怪我してますね (・∋・)
赤髪の男に関してはアンロックとムリアンもろもろで姿を捉えることができますね。
何もせず捕まえるのもできなくはないですが、ちょっとかわいそうなのでファイアボールを放ちます。
ただ演出でしかないので抵抗もダメージも必要ありません。
このシーン限定でアポロのことも魔法からかばうことができます。
戦闘特技も必要ございません。
誰も庇わなければカイルが庇います。
ファイアボールうったあとは赤髪の男を好きなようにしてやってください。
縄でぐるぐる巻きにするも発動体を奪うもご自由にどうぞ (・∋・)
聞きたいことがあれば聞いちゃってもいいです (・∋・)
プリアーシェは好きなタイミングで上がってきてくだせえ!