【A-1-2】乙女の石像と七冊の本

 GM(あんみつ) [2015/11/03 23:31:32] 
 

>「ンデ。ソコは前にモ、冒険者が探索シタんだヨナー?
> 中はドーなってンノ? 何か注意点アッカー?」

霧の図書館の内装について、リリがエリックに尋ねる。

「聞いた限りでは、普通の図書館に見えるみたいだよ。
 ちょっと内装は昔風で変わったところもあるけれど。
 でも......行く度に微妙に変化があるらしくて。
 これから行った時にどうなっているかはわからないや。
 ――もしかしたらすごいことになってるかも」

図書館内部は概ね図書館としてイメージされるものと変わらない......はずらしい。
ただ、時によってその内部に異変が起きたり、造形すら変わってしまうこともあるらしく。
はっきりとしたことは断言できないということらしい。
その辺りは魔法文明時代の遺産ならではと言えるだろうか。

>「承ろう......ところで伺いたいのだが。
> その図書館とやらは、金属鎧着用で入っても大丈夫な場所なのだろうか?
> そういった事が解らぬ故、注意点が有れば教えて頂きたい」

「図書館といってもちゃんとした図書館じゃないんじゃないかな。
 前冒険者の人たちが訪ねたときは魔物に襲われたこともあるらしいし。
 そう言った意味では鎧とかも着込んで準備していった方がいいと思うよ」

ダグリオンの問いかけに対してエリックの答えはこうだ。
確かに、図書館のルールを守ろうとして命を落とすのでは馬鹿らしい。
ちょっとくらいルールに抵触しそうでも身を守るのが冒険者というものか。

>「マジか!?ええんか!?あっこの本好きなだけ持って帰っても!?男に二言は無ぇ!?」

アルフェイトが興奮した様子でエリックに確認を取ると、

「何冊も持って帰れるなら持って帰ってきてもらっても構わないよ。
 中がどうなっているかわからないから好きなだけ持って帰れると断言はできないけど。
 ただ、持って帰ってきた本は君たちの好きにしていいから

とりあえず持って帰って来れたら、自分のものにしても問題ないらしい。

   *   *   *

エリックに見送られ、6人の冒険者は目的の森へと向かう。
森の輪郭が微かにぼやけているのがわかる。
内部では霧が発生しているのだろうか。
知識があるものがその様子から探れば、次第に霧刃は全体を覆い、しばらく留まることがわかるであろう。

そして、まるで霧に反応するかのように。
エリックから受け取った光る童話本はより強く輝く。
――若干、本が動いているようにも感じなくはない。

   *   *   *

森の中を奥に進めば進むほど、全体を包む霧は深く色濃くなっていく。
足元が見えず、幾度か転びそうになりながらも進んでいくと、ついに"それ"は現れる。

――巨大なシルエット。
上部に見えるのは屋根のようなもの。
その影は大きな建造物に見えた。
おそらくこれこそが、今回の目的地――霧の図書館である。

はっきりとシルエットが浮かび上がった瞬間。
『十の童話』が突如揺れだし、あたりを淡い光で包み込む。
その光によって眼前に図書館がその姿をくっきりと現した。

四階建ての重厚な建造物の前に石像がひとつ。
一見美しい人間のような姿であるが幾つか鳥の特徴が見える。
この像のモチーフは幻獣ディーラであると知る者はわかるかもしれない。
石像は一冊の石造りの書物を大切そうに抱えており、その像の周囲を六冊の本が中に浮かびながら旋回している。

像や図書館に誰か一人でも近づけば、ディーラに抱えられた石の本が淡く光る。
そして奥の方でギイギイと重い音。
よく眺めてみると、図書館の大きな扉がいつの間にか独りでに開いている。
そして石像の周りに浮かんでいた六冊の本が空中で急停止したかと思うと、
凄まじい勢いで開いた図書館の扉から建物の中へと吸い込まれていった。

六冊の本を吸い込み終えた図書館の扉は再度ゆっくりと閉ざされる。
そしてその扉の目の前にはプリズムに輝く光の柵状の壁が作られた。

   *   *   *

――全てが静まった後。
石像に抱えられていたはずの本が地面に落ちる。
いつの間にか石であったはずのそれは、青い背表紙の書物になっていた。

中を開いてみれば、魔法文明語でこう記されている。

『書物は知の源であり、新たな道を切り拓く鍵である』

   *   *   *

一度図書館の扉の方に近づいてよく探索を行ってみれば、
その光の壁の中央下部に何かを嵌める事のできる窪みを見つけることができるだろう。
それは――そう。
ちょうど例の青い書物と同じ形のような。
正しいものを嵌めればその扉は開くであろうか。


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あんみつ@GMより

まずエリックから簡単なお答え。
彼自身は入ったことがないので詳細なところはわかりかねます。

森の外側で天候予測判定を行えます。目標値は13
成功すればしばらく霧が続くのがわかりますね。

十の童話については誰か一人のPCが所持してください。誰でも構いません。
そのPCは最初に異変に気がつきます。

ディーラについて魔物知識判定が可能です。目標値は8です。
成功すればディーラの正体がわかります。
また、落下した書物は魔法文明語の読文を持つPCであれば、内容を理解できます。

柵状の光の壁にたいして探索判定が可能です。目標値は13
成功すれば窪みを発見できます。

光の壁に対して解除を試みることも可能です。
アンロックキー、アンロック、ディスペルマジック等で目標値は30です。

何らかの行動を起こしておいてください。
その結果先に進めるようになった場合、次進行では中に移動するシーンまで進めます。