【B-1-6】次なるステージへ
冒険者たちはリリに似合うドレスやアクセサリーを完璧に見つけることができた。
ラキアスのメイクアップも問題なしである。
>「ちょっとMCくんええかい?」
>「うちのリリちゃんがステージ上がる時は音楽止めてくれんか?
>その代わりに俺が最高の演奏で盛り上げたるわ♪」
アルフェイトはホムンクルスの手の空いた瞬間を狙って声をかける。
目的は自身の演奏でリリのステージを盛り上げることだ。
「オーケイオーケイ!
スペシャルでファンタスティックな演出はどんとこいだぜ!」
ホムンクルスは超軽いノリで許可を出してくれる。
実に軽い魔法生物である。
* * *
>「リリ=ヒューイック。エントリーだZE!」
ランウェイの上に立ったリリは翠と白を基調として王道を攻めていく。
それでも身に纏う服、メイク、そしてアルフェイトの演奏の相乗効果も相まって。
リリのウォーキングは他の人形たちの記憶を全て吹き飛ばす様に魅力的だ。
若干リリの表情などは本調子ではなさそうだが、十分すぎる出来栄えだ。
――最後にリリの目から星が飛ぶ幻覚を見せたとき。
この空間は全て彼女のものになっていた。
しばらくの沈黙のあと。
『なんてスウィーティー!エレガント!
そしてエクセレントなんだ!
今回のヒロインはリリに決定!異論はナッシング!』
巻き起こる歓声と大いなる拍手。
ノリのいいホムンクルスの声を受けてスポットライトはリリ一点に集中する。
世界が煌めきだした。
『コレクションのパーフェクトヒロインには最高の栄誉を!
そしてお洒落なイエローブックをプレゼント!
――ではでは、新たなるヒロインリリ――感想のお言葉をプリーズミー!』
リリの頭上に現れた黄色い本はそのままゆっくりと降りてくる。
ちょっとリリが受け止めるには若干大きく重いかもしれない。
感想を求めるホムンクルスに対し、まともに答えられるかどうか。
――少なくとも無事本を入手できたのは事実である。
* * *
改めてその本を手にとってみると、人形関連の記載がある。
どうやら中身はファッション関係らしい。
ランウェイの向こう側。
光の壁のほうに近づいてみると何かが聞こえてくる。
――これは音楽だろうか。
よく聞き分けてみると弦楽器や金管楽器の音色が聞こえている。
オーケストラの演奏でも行われているのだろうか。
黄色に溶けていく光の向こうへ冒険者たちは歩いていけるだろう。
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あんみつ@GMより
探索・変装の各種判定によるボーナスも含め、リリが判定に成功しました。
そのため黄色い本がリリのもとにやってきます。
多分リリじゃちょっと大きすぎて重すぎますね(・∋・)
読んでみれば人形のファッションについて書かれていますね。
光の壁の奥に対して聞き耳判定が可能です。目標値は13。
成功すれば楽器の音色を聞き分けられますね。
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