【D-1-2】キャンバスに夢を描こう
>「おお?これどうなっているのでしょうか。ちょっと突っついてみましょう。」
ラキアスが闇の中を探る。
そこには何もないようで何かがあるようで。
暗い先を見通せるはずの瞳でもその先に何があるのかわからない。
光がないのではない。
――黎く昏い何かが道を隠しているのだろうか。
>「うーん。何かあったりしないかな?って思っていたのですが。いや特にレーヴさんを疑っているわけではないんです。だだどうなっているのか気になっただけですよ。」
『好奇心を持って行動することも。
慎重に動くことも素敵だと思いますわ。
でも過ぎたるは及ばざるが如しという言葉をどうかお忘れなきよう。
何がわかるかわからないのが夢ですもの』
レーヴの言葉は単純に心配からくるものであって。
裏に隠された意味などはない。
冒険者たちが黒の中へと進んでいこうとすると。
『永久の夢もいずれ朝日が昇る頃には醒めるもの。
それはきっと暗闇の中の一筋の光のようにね』
意味のわからない言葉だけを耳に残して。
冒険者たちの姿は闇の中へと溶けていった。
* * *
どれくらいの距離や時間を歩いただろうか。
前も後ろも右も左も。
北も南も西も東もわからない。
上や下すらも曖昧な漆黒の中。
松明も光の魔法も働かない。
光の妖精もきらめかない。
四方八方全てが闇の中。
そのはずであったが――見間違いだろうか。
いや断じて見間違いではないだろう。
黒の中に一点の白が見えているのは。
その方向に向かえば、その全貌が見えてくる。
それは真っ白な部屋であった。
何も書かれていないキャンバスのような部屋の中。
パレットのように置かれているのは木製の本棚。
二段に分かれていて上の段は表紙をこちら側に向けて、
本が一冊入るかという程度の隙間が空いている。
よく調べればちょうどぴったりな本が見つかるだろう。
――想像通り、十の童話だ。
下の段は背表紙をこちら側に向けて本が幾つか入るかというところ。
棚の正面やや右寄りに青い色の本が既に差し込まれている。
見覚えのある――最初に見つけた本だ。
黒い闇の中を旅してきた冒険者たちが白い部屋の中に入ったとき。
いつの間にか各々の手に色とりどりの本が携えられていることに気がつくだろう。
アリサには黄色。
シィノヴィアには紫色。
ラキアスには緑色。
アルフェイトには藍色。
ダグリオンには赤色。
そしてラウラには橙色。
それぞれの本には表紙と同じ色の栞が挟まれている。
そこに記された文字もまた全て同一。
黄金色で記されたものは......。
『横書きの物語は左から右へ。
正しき未来を作り上げれば雲間を裂くように......。
再構成された物語が綴られ始めるだろう』
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あんみつ@GMより
進行ですー!
ここが最後の分岐点。
といっても気張るほどのものじゃないですが!
闇の中は全ての手段で照らすことや見通すことができません。
見識判定もしくは探索判定が可能です。目標値は14。
成功すれば本棚のサイズについてよくわかります。
本はいつの間にか手の中にあります。
武器とかはいつの間にか鞘や荷物の中にインしちゃってます(・∋・)
まあ特に難しく考えず、お好きな行動をどうぞ!