【E-1-2】メルヘン・リライト
>「えっとここは霧の図書館の中ですか?最初入った時はすごい光景になっていましたが
・・・。」
「すごい光景......ですか?
ここはいつも通りの図書館でございますが。
――もし皆様が何かご覧になったのでしたら、
過去から今まで生き続けている魔法のせいかもしれませんね。」
リーブラがラキアスに語る限り、ここは霧の図書館の中だという。
先程まで見ていたような風景はレーヴの言葉通り特異な夢の世界だったのだろうか。
>「ふむ、有り難し。
> 何れ此方へ訪れた際に返せばよろしいのか?」
『この図書館を訪れることがあればそちらでも構いません。
もしこの場所を再度訪れる機会がなかったとしても。
時が来れば契約の魔法によっていずれ返却されることとなるでしょう。
――もっともはるかに遠い先のことですけど』
ダグリオンの問いかけにリーブラは答えた。
この図書館に直接返しに来ても構わないし。
もし返す機会がなかったら勝手に返却されるのだという。
他にも様々な魔法が目に見えぬ形でかけられているのだろうか。
そのままダグリオンが荷物を漁れば、少し出発前に比べて軽くなっていることがわかる
だろう。
夢の中で、ダグリオンたちは確かに現実を経験していたのだ。
一方でシイノヴィアはアルフェイトの荷物に変質した"七色の童話集"を突っ込んだ。
これを持ち帰れば、一応エリックの依頼は完遂となるであろう。
* * *
それぞれに図書館から借りてきた本と夢の中で手に入れた品々を手に冒険者たちは建物
の外へ出た。
森の音が響く中、冒険者たちの姿を待っていたかのように霧が薄まり消えていき。
背後にあったはずの風景もいつの間にか変調し、ただただ青々とした森が続いていくだ
けだった。
――森を離れ、冒険者たちはルキスラを目指す。
アルフェイトの荷物にあった童話集をエリックに渡すためだ。
* * *
「おかえり、とりあえず無事みたいで良かった」
エリックは温かい紅茶を出しながら、冒険者たちを歓迎する。
「それで......それが"十の童話"かい?
題名も形も変わってるけれど」
アルフェイトが図書館から持ち帰ってきた"七色の童話集"を見ながらエリックは言う
。
ただその表情は特に驚いているというほどのものではない。
「この本は普通の本じゃないとは思ってたけど。
もうやっぱりなんでもありなのかな。
流石は魔法の本て感じだよ」
姿を変えるような奇跡的なことを起こすことができるものが魔法であるならば。
魔法の童話集に同じようなことが起きてもおかしくはない......ということかもしれない
。
「うん、でもおかげでまた興味深いものに出会える予感がするよ。
ありがとう......これは約束の報酬さ。
どうか受け取ってほしいな」
丁寧に袋詰めされた硬貨をエリックは六人の冒険者たちにそれぞれ渡していく。
中身は当初提示されたガメルと同等である。
「よかったら......その本を読ませてくれないかな。
君たちは中身は読んでみたかい?」
そう言ってエリックは七色の童話集に手を伸ばす。
そしてそのページを開けば......。
――聞こえてくる声。
音で表してみればバリトン。
『我が童話集を開きし者よ。
これを読む者の数だけ物語は生まれ、構成されていく。
童話は文章にされて終わりではない。
そこからイメージの翼が広がり――新たな世界へ飛び立っていくのだ。
メルヘン・リライト......童話は何処までも書き綴られる』
その声が止んだ後。
七色の童話集に視線を落とせば、そこにはある一篇の物語のタイトルがあった。
――それは塔ほど長い髪をした乙女の物語。
童話の扉は――開かれていく。
「なるほど......。
まだまだ君たち、そしてあのお店とは長い付き合いになるかもしれないね。
また君たちに会えることを楽しみにしているよ」
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あんみつ@GMより
このシーンにてエンディングとなります。
シーン的には図書館からエリックのもとへ行くまでですが。
ラストなので他に書きたいものがございましたらどうぞ(*´∀`*)
この記事に何らかのアクションを起こす記事を投稿して頂ければ解放といたします。
投稿がない場合も1週間後に強制的に解放処理を行います。
報酬については別途冒険の募集欄にまとめておきますのでご参照ください。
この度は本セッションにご参加いただきありがとうございました、
予定通り年内に終わらせられたのは皆様のご協力あってこそです!
またどこかで一緒に遊べる機会がありますよう(*´∀`*)