収穫ありです
建物を出ると、ちょうど霧が薄まるところだった。
徐々に視界がよくなる。
反対に、図書館は姿を消した。
借りた5冊の本。
できれば、じかに返しに来れるといい。
―*―*―*―
「ただいま戻りました」
>「おかえり、とりあえず無事みたいで良かった」
出された紅茶をひと口飲む。
温まる。が、やはりシィノには少し渋い。
ミルクと砂糖を足し、くるくると混ぜた。
>「この本は普通の本じゃないとは思ってたけど。
> もうやっぱりなんでもありなのかな。
> 流石は魔法の本て感じだよ」
図書館の夢が目まぐるしかったせいで本が変化したことは大して気にとめていなか
ったが、言われてみればこれも充分に不思議なことだ。
「何か起こる」と予感していたエリック殿が驚くことはなかったが。
どうやら本の変化は、依頼の達成に含まれるらしい。
袋を受け取り、中を確認する。
ふむ、契約どおり。
>「よかったら......その本を読ませてくれないかな。
> 君たちは中身は読んでみたかい?」
シィノは読んでいないので、首を横に振る。
エリック殿が本を開くと、声が響いた。
図書館の中でたびたびあったことだからか、今さら不思議も何もない。
ただ、とても耳に心地よい音だと思った。
>『我が童話集を開きし者よ。
> これを読む者の数だけ物語は生まれ、構成されていく。
> 童話は文章にされて終わりではない。
> そこからイメージの翼が広がり――新たな世界へ飛び立っていくのだ。
> メルヘン・リライト......童話は何処までも書き綴られる』
難しいことを言う。よくわからない。
しかし、「どこまでも」という言葉は胸に残った。
終わりがないというのは、酷く不安で、それでいて魅力的だ。
>「なるほど......。
> まだまだ君たち、そしてあのお店とは長い付き合いになるかもしれないね。
> また君たちに会えることを楽しみにしているよ」
「こちらこそ。ありがとうございました」
―*―*―*―
さて、いつもなら仕事終わりは冒険者の店か適当な酒場で食事を取るのだが。
「市で買い物をしてから、手羽先亭へ行きます。
一緒に、いかがですか」
荷物の中の、レシピの写し。
材料を持ちこんでナゴーヤ殿に頼めば、作ってはもらえないだろうか。
厨房を借りられるなら、自分で作ってもいいが。
――――PL――――
ありがとうございました。
楽しかった!
感想はまた後日、改めて。
以下の報酬を受領いたします。
・2517G(フレーバー)
・名誉点:37点(未使用)
・エリック・ジュべと顔見知り:5点(コネクション)
ルキスラで最近名が聞かれるようになった童話作家。
先祖が高名な魔導師で作家であったと言われ、
彼が遺したという魔法の童話集を持っている。
・紫色の神話集(メモリー)
月神シーンに纏わる神話や伝説が纏められた紫色の書物。
解説や教訓などの細やかな情報もセット。
・借りた本5冊
「軍記物(3部作)」
レーゼルドーンにおける、シャドウの部族と蛮族の攻防を描いたもの。
(流派【クウェラン闇弓術改式】に興味を持つための伏線的な)
「神話(上下巻)」
シーン様以外にも、どこの神はここの神と仲良しだとか、あの神とその神はこう
いうわけで仲が悪いとか、そういう短編集。神学者の解説付き。
・レシピの写し
・PT名誉点:15点