【A-1-1】隠された瞳
「貴方たちに頼みがあるの。
頼みって言うのはね......あたしの......。
――あたしの父を殺して欲しい」
キリエとシオン。
二人の前に現れた赤髪の踊り子が紡いだのは――想像以上の台詞。
実の父を殺して欲しいというものであった。
* * *
ある日ルキスラの冒険者の店に舞い込んできた依頼。
それは踊り子として最近巷に名を響かている"砂漠の薔薇"エレミア・バルカロール。
彼女はそのダンスの腕だけでなく冒険者としても優秀である。
簡単な自己紹介を交わしたあと三人は手頃な部屋の中で依頼について話す。
今回の依頼はエレミアと共にターゲットとなる者を討ち取って欲しいというものだった。
――そしてそのターゲットというものは。
「もう一度だけ、詳しく言うわね。
今回貴方たちの協力を受けて殺したい相手は。
あたしの父――モノマニア・バルカロール」
実の父――肉親を殺そうと思う理由は何があるだろうか。
距離が近いからこそ確執が生まれ、それが殺意になるのかもしれない。
しかし、彼女の場合はそう複雑ではない。
いや単純でないと言ったほうが正しいだろうか。
「あたしの父はね......北にある砂漠にいるの。
漆黒の砂漠の南辺りかしら。
毒とかはないけれど――逆に蛮族がいるわ。
まあここまで言ったらわかると思うけど......あたしの父も蛮族よ」
そう言って周囲にほかの目がないことを確認したエレミアは右眼を隠していた眼帯を外す。
左が薔薇の花のような赤であれば、右の瞳はまるで刺々しい茎のような禍々しき緑。
それを見て察するであろう。
エレミアは――"人"ではない。
弱き蛮族の劣等種――バジリスクのウィークリングだったのだ。
「あたしの父はバジリスク。
砂漠の中に建てた屋敷に住んでいるわ。
そしてそこに人族や蛮族の芸人を招いて――時には攫って暮らしているの」
――バジリスク。
それは蛮族の中で支配者と呼ばれる立場の種である。
気位の高いドレイクに比べて、バジリスクは変わり者が多いという。
「だから貴方たちにはあたしが知り合った旅芸人として潜入してもらうつもり。
あたしの仲間たちから似合う衣装なら借りてこれるから。
――そういや貴方たち何か芸とかできたりする?
まあ別に何もできなくてもいいけれど。
......でもその前にまずは砂漠を越えなきゃね」
エレミアはモノマニアの根城に入るために、旅芸人だと偽らせるつもりらしい。
一応衣装は何とかしてくれはするらしいが。
「出発は急がなくてもいいわ。
だって、獲物は逃げたりなんかしないんだもの。
前金として1000ガメルずつ用意してあげる。
これで準備でもしてきたらどうかしら?」
袋に小分けされた硬貨を二人分用意する。
中に入っているものを確かめれば言葉通り1000ガメルちょうどだ。
「――あと、そうね。
何か着てみたい服とかあるならば希望は聞くわよ。
あたしからはそれだけ――じゃあ、次は出発の時にね」
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
それではセッションを開始させていただきます。
依頼を受けるまでのシーンはばっさりカットしました(・∋・)
もちろんPCの側で好きに書いていただくのは構いません。
現在はどっかの部屋でエレミアから依頼の説明を受けているところです。
【エレミア・バルカロール】を『人物表』に登録しておきます。
エレミアの所持技能は以下の3パターンあります。
・フェンサー&スカウト
・シューター&レンジャー
・ソーサラー&コンジャラー&セージ
お二人でご相談してお好きなものをご選択下さい。
エレミアについて見識判定が可能です。
目標値は13。成功すればエレミアはバジリスクのウィークリングだとわかります。
ちなみにウィークリングとは蛮族版ナイトメアのような存在で、
普通より穢れが少なく生まれてきた種族のことですね。
エレミアは「例外的存在」としてルキスラの一部で蛮族でありながらも受け入れられています。
【モノマニア・バルカロール】を『人物表』に登録しておきます。
バジリスクに対して魔物知識判定が可能です。目標値は13/16です。
前金として1000ガメルお渡しします。
買い物を行っていただいて構いません。
ちなみになりたいスタイルは希望があれば程度です。
なければ適当に決めます(・∋・)
次シーンは時間を一気に進めますので、
何か依頼に関して質問がございましたら、こちらのシーンでお願いします。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『A1-薔薇と蛇』にチェックを入れて投稿してください。