【B-1-3】砂の街の導き
>「んー・・・うまく言えないんだけど、最愛の仇敵?いや、違うか・・・」
親について教えて欲しいと語るエレミアに対してキリエの言葉はちょっと突飛なものだった。
けれどそこから続くのは鬱陶しく思いつつも微笑ましい家族の姿。
皆が羨むほど仲がいい......とまでは勿論いかないではあろうが。
>「そのうち顔見せに帰ってみるかなー・・・あ、でも刺青入れたおかげで余計に怒られそうだ。やめとこ
。」
キリエなりの絆はあるのであろうか。
「あたしは羨ましいな。
たぶんもう一生怒られることなんてさ......ないから」
エレミアは言う。
怒られるのも羨ましいとは。
怒るという行為は単純に腹が立っただけではなく相手の関係性があって成り立つものである。
だからこそ......彼女にとってはまぶしいものなのだろう。
実の父を殺そうと思うくらい屈折した環境の中では。
>「親はリルドラケンなんですよね。そのおかげで本当に良い暮らしをさせて貰えました」
一方のシオンは親がリルドラケンということもあってか。
"ナイトメア"としては割と恵まれた環境にいたことを明かす。
>「リルドラケンは同じ街の生まれなら、みんな家族と言う認識で、近い時期に生まれたら兄弟姉妹でまとめられますし」
「シオンはナイトメアだった聞いたから。
あたしと同じ感じだって勝手に思ってたけど......結構違うのね。
そっか、そうなんだ――シオンは幸せでよかったわ」
エレミアの言葉は素直な気持ちとほんの少しの嫉妬と寂しさ。
明るい話口調の上にほんの僅かなエッセンスとしてデコレーションされていたようだ。
* * *
>「んー、風向きが変わったのかな・・・
> 砂嵐になる前に進もうぜ。」
各々の家族について率直な感想を語る中。
キリエは砂漠の異変に気がついた。
ちょっと良くないアクシデントが起こるかもしれない。
そう気がついたキリエはエレミアたちに告げる。
「そうね......。
せっかくここまでいい調子なんだもの。
変なところで足止めなんてくらいたくないわね」
エレミアはぱぱっと砂を払って立ち上がる。
この時の彼女の台詞。
聞こえていただろうか。
「......だって、変に迷いたくないもの」
* * *
「だいぶ歩いてこれたわね。
もう半分は優に越しているわ。
シオンもキリエも砂漠は初めてなんでしょう?
なかなかやるわね、頼りになるわ」
エレミアの言う通り。
過酷なはずの砂漠越えも極めて順調。
むしろ順調すぎるくらいだ。
キリエとシオンが砂漠の中で何か目に付くものはないか探し歩いていると。
砂を巻き上げて砂漠を悠々と進む小さな旋風を見つけた。
「珍しい......あれは"サンディの導き"って言われるちょっとした自然現象よ。
簡単に言ってしまえば旋風なんだけど。
何故かサンディの街へと向かっていくから道標になるみたいなの。
だいぶ昔から見られる現象みたいで、何らかの魔動機が機械的に発生させているっていう説もあるそうよ」
今見つけた旋風を追っていけば。
迷うことなくサンディの街へと向かうことができるだろう。
ただこの風のスピードはなかなか早く。
そして大きさ自体も目立つものではない。
時々巻き上がる砂の中、一瞬の油断で見失ってしまうこともあるだろうか。
「追いかけましょう!
上手く行けば想像よりずっと早く街にたどり着けるわ!」
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あんみつ@GMより
合計値が34でしたので、有用な手がかりを見つけ進度は2点です。
エレミアの各進行毎の進度も加わって現在は9点となっております。
【サンディの導き】について見識判定が可能です。目標値は14。
成功すれば『用語集』に記されたことがわかります。
旋風の行方について天候予測判定が可能です。目標値は12/16。
結果によって進度に影響が出ます。
目標値16を達成:サンディの導きを一度も視界から外さない。追加進度2点。
目標値12を達成:途中で見失ってしまうが十分な距離を終えた。追加進度1点。
目標値12を未達成:すぐに見失ってしまう。プラスマイナスゼロ。
どちらかが目標値に達成すれば問題ありません。
もう一つ、第4回目の探索判定をお振りください。
ここでいいダイスの出目が出れば15に達成するかな、というところですね。