不思議な水
>「今辿ってきた道筋はあたしも初めてだわ。
> でもきっと間違いなく街へと近づいている。
> なんとなくわかるもの」
「何となくですか」
不安に感じる単語があったが、おおよその位置を知るエレミアさんを疑うと、信頼できるものがなくなってしまう。
>「あれは......まさか......!」
エレミアさんが本来の方角では無い方向を見て驚いていた。
その方向には緑が、明らかに砂漠の光景には不釣り合いの場所ある。おそらくはオアシスだろう。
エレミアさんの後を追って、オアシスに着く、見た感じはただの水だが......
>「砂漠に残った伝説の一つにね。
> 砂が泥を経て水に生まれ変わるというものがあるの。
> おそらくこのオアシスのことを面白おかしく語ったんだと思うわ。
> でも......この水にそれなりの効能があるのは確かよ。
> 例えば――石像を人に戻したり」
「......うーん。不思議なものもあるんですね。マナを含んでるみたいですが」
まあ、マナを含んでると分かったのは妖精がざわざわしているからだ。
>「あなたたちも何か持っていたら汲んでいったらどう?
> 父はバジリスクだから――何があるかわからないわよ」
「中身を捨てれば、空き瓶は作れますが......うん。飲むのは止めた方が良さそう。消毒用なので、結構強いですし」
勿体ないので、少し飲もうと思ったが、ボトルを握って考えが変わった。
背負いの中で、砂漠の移動で生温くなったワイン......寒い地方では温めて飲む事があるが、熱い砂漠でこれは味の保証は出来ない。
......そもそも、依頼の最中に飲むのは問題がある。ちなみに持っていた理由は消毒用だ。
勿体ないが、2本のワインのボトルを空にして、合計で3つ汲むことにした。
>「着いたわね。
> ――サンディに」
「見事な廃墟......と言うわけでも無いですね」
荒れた街だと思ったが、一つだけ手入れが届いている建物がある。
まあ、好き好んで廃墟で過ごそうと思う物好きはあまりいるとは思えないので、当然と言えば当然かな?
>「少し前までは他の蛮族たちが根城にしていたんだけど。
> その大半を父が追い出しちゃったのよ。
> ――見た目が醜いって言ってね。
> まあ有事の時と定期的な巡回には来るようだけど、今はその時間じゃないわ」
>「とりあえず綺麗そうな家を借りちゃいましょう。
> そこで着替えていくわよ。
> ちゃんとした格好じゃないと会ってくれないかもしれないし」
「大半、と言うと、残っている少数派もいるんですか?」
出来るだけ正確な戦力は知りたい。
......そう言えば、エレミアさんはどんな服を用意したのだろうか?
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平山です。
遅くなって申し訳ないです。
文は用意していたので、もっと早く投稿するべきでした......
平山@シオン : 薬学判定 2D6 → 2 + 1 + (8) = 11 (12/23-01:08:14)
......出目が後半爆発すると信じたいです
※願望