不安
>「じゃあ、二人の分の衣装も渡すわね。
> キリエはこれ、シオンにはこれね」
エレミアさんから黒い踊り手の服を受け取る。結構、露出度が高いな。
武装解除は正直怖い。護身用としてナイフでも持ってくるべきだったか?
ただ、信用を得るには好都合なのかも知れない。
>「実はこれ、本当は子供用なのよね。
> でも、キリエにはちょうどいいんじゃないかしら?」
......何やら苦悩しているキリエさんに言葉を掛けられない。
少なくとも下手な言葉を掛けたら逆に怒られそうな気がするし、気持ちは分からないでも無い。
>「とりあえず適当な場所で着替えてきてちょうだい。
> 武器とか鎧とかは他の荷物と纏めておいて。
>あとで別便で持っていくから。
> ――キリエの服はゴテゴテしてるから下に隠してもバレないかもしれないけど」
女性陣を見送り、別の部屋で着替える。
着替えに手間取るような構造の服ではないが、鎧を脱ぐのに時間が掛かった。
ポーションインジェクターと宝石の類いは外しておこう。
着替えが終わった女性陣が出てくる。
>「――準備できたかしら?
> できたならすぐに屋敷へ向かいましょう。
> まずは挨拶するだけよ、この格好で戦えだなんて言わないわ」
それはそうだ。今の自分は多少は動けるが、文字通りに動けるだけだ。
イスカイアの魔導鎧は本当に優秀だ。軽くは無いが、動きを全く制限しないのだ。最も、それに見合う痛い出費だったが......
>「ああ、そうだ。
> 戦うための諸々についてはその他の荷物と一緒にバルレ――いやコボルドに運んでもらいましょう。
> 大丈夫、いい子だから中の荷物を検めたりしないわ。
> 二人は機を見て準備してくれれば構わないから。
> ――あたしの方もいろいろ用意しなきゃいけないことがあるしね」
「分かりました。そのバレル? って言うコボルドは別に何もしてこなければ放置でいいですか?」
はっきり言って殺しは嫌いだ。相手がこちらを殺す気で来るなら仕方ないが、初めから無抵抗で命乞いをされたら殺せる自信は無い。
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平山です。
身長に関しては思っても絶対に口に出さない。幼少時代は周り(リルドラケン)との差を気にしてたシオンです。
シオンは肌の色と服の色で見事にモノクロームになりました。武装は完全解除状態なので、不安です......
平山@シオン : 魔物知識 2D6 → 5 + 1 + (8) = 14 (12/26-19:54:29)