【A-1-2】小さな羽を持つ男
ヴァーミリオンは実に絶好調であった。
目の前にあるのはル=ロウドの神殿のその素晴らしさもひと目でわかるくらいだ。
神殿を構成している石材の材料は高い山で取れるものであるようだ。
おそらく近くに高い山があるのだろう。
――そういえば、北方に山らしきものが見えている気がする。
あそこで採れる岩で作ったものであろうか。
他にも神殿を構成する壁や柱、屋根に至るまで劣化を防ぐ魔法加工が施されているようだ。
外観がここまで整えられているのであれば、内観もまた素晴らしいものであろう。
もしかしたら財宝の類もあるかもしれない。
グランド・フェザーがこの場所にあるかどうかは流石に定かではないが。
他にも壁や柱など装飾やモチーフについて眺めてみると、
その中に描かれた幾つかをヴァーミリオンは読み解くことができた。
巨大な翼、そして羽根の生えた人型の魔物、さらに高々とそびえる山と剣。
小高い丘に天高く伸びる塔、そして雷に嵐。
どこまでも深く続いていく穴、竜の翼、炎の息吹、最奥の光。
雲と空のモチーフ、広大な湖、その先にある虚空。
森と花々、空舞う妖精、弦楽器、円形の街。
空に浮かぶ島、その遥か直下、謎の遺跡。
――そして荘厳な神殿、有翼の乙女、扉。
これらが意味するものは果たして何であろうか。
* * *
ヴァーミリオンが神殿の外観を丹念に調査していると。
神殿から現れる一つの影。
遠くから見たところそれは若い人間の男のように見えた。
拳と脚に付けられた武具とその軽装さから武闘家の類であろうか。
されど、そのシルエットにはどこか違和感がある。
何よりも特徴的なのはその背中の小さな翼である。
ヴァーミリオンが知識を持っていれば気づくであろう。
彼は人間ではなく人族ですらない。
穢れし蛮族の中の"弱き者"。
蛮族風に言えば"モヤシ野郎"。
ガルーダのウィークリング――劣等種である。
彼は神殿に向けて一礼し、ヴァーミリオンのいる方へと歩いてくる。
もっとも彼はヴァーミリオンに気づいていないし周囲に気を配ってもいない。
特に技術がなくとも音さえ立てなければ気づかれることなくやり過ごせるだろう。
――神殿の扉は開いている。
彼が去った後に中に入ることは容易だ。
もちろんこの神殿から離れることも難しくない。
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あんみつ@GMより
ちょっとヴァーミリオンさん出目ヤバすぎませんかね(・∋・)
ということで出すつもりがなかった情報も出してみたり。
ウィークリングとはカルディアグレイスに乗っている蛮族PCです。
生まれはガルーダですね。
より詳細はカルディアグレイスを参照して頂ければわかりますが、
現状の描写だけでもまあ十分かと思われます。
ガルーダについて魔物知識判定を試みる事ができます。目標値は14/19です。
成功すればガルーダについてだけでなく、目の前の男がガルーダのウィークリングであること。
また神殿に描かれていた羽の生えた人型の魔物がガルーダであることを推測できます。
予備ダイスは隠密判定もどきに使います。
ヴァーミリオンは自らわざと音を出すなどしない限りウィークリングに見つかることはありません。
ヴァーミリオンは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の4つです。
・ウィークリングに声をかける(わざと気づかせるなども含む)
・ウィークリングの後を追う(別途判定が必要になる場合があります)
・自由の神殿に入る
・マップ上の別の場所(イ・エ・カ・クのどれか)を訪れる。
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)