巫女、清浄なる者
神殿に足を踏み入れた私の耳に、濡れた絹糸の様な優しい声が入り込んだ。
『ようこそ......ル=ロウドの神殿へ。
貴方もこの世界の迷い子ですか?』
其方に目を向けて固まる。
穏やかな川の流れを思わせる豊かな稲穂色の髪、純白のベールに負けぬ綿雪の肌、唇は熟れた林檎の様に赤く其処から出る言葉全てにトプトプと甘い蜜を入れている。此方を見つめる瞳は吸い込まれそうな蒼。
佇まいはしなやかな梛、いやこれは空に踊る翼と言った方が正確か...。
そう美しい、それこそ時が止まる程に。
『私はこの世界の巫女エールですわ。
貴方は元の世界に帰りたいのでしょうか。
そうであればすぐに世界の扉を開いて差し上げますが。
それとも他のものがお望みでしょうか。
この世界で知りたいものがおありですか?
この世界で手にしたいものがおありですか?
この世界で見たいものがおありですか?
貴方の全てを叶えることができなくとも少しは支えとなりましょう』
その声に私は正気を取り戻す。
彼女のユリ、ただしカサブランカの如き美しさに囚われていた様だ。
これは情けない。私はゆっくりと佇まいを整え、挨拶した。
「ああ、すまない。カサブランカの様に高貴なる美しい方。
貴方の純白に輝く美さに私の時は進む事を忘れていたのだ!
私はヴァーミリオン・ヘイズ、迷い込んだのでは無く自ら望みこの地へ訪れた放浪の学者です。
先ずは挨拶が遅れたお詫びと、貴方に出会えた喜びを伝える為に一曲弾かせていただく」
私は挨拶のを済ませるとそう提案して、目を閉じ愛用のポルタティフオルガンに手を添え弾き始めた。
喉に詰まった石を吐き出す様に私は息をする。
演奏の後は何時も酷く疲れる。
それは私が生粋の音楽家で無く学者だからであろう。
それでも今回の感動を相手に伝える為には私にはコレしかなかった。
演奏の音が神殿に響き消えゆく中、エールに向き直り一礼する。
「ご静聴感謝致しますエール様。お耳汚しで無ければ良いのですが。
この様な私にもし未だに力を貸して頂けるなら。
グランド・フェザーとル=ロウドその関わりについて、聞かせて貰えませぬか?
また、この地の事がよく分かる遺跡などがあれば紹介して貰いたい。
そして最後にこの神殿を道具を使って記憶に残す事を許して欲しい。
如何でしょうか?」
自身の要望を彼女に伝える。
受け入れて貰えなければ、レジスの所に向かおう。
そう考えながら、彼女の返答を待つ。
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PLめぐりです。今回もよろしくお願いします。
女性は褒めるもの、頑張って書いたよ!
ヴァーミリオンの演奏はお好きなBGMをどうぞ。
さて此処からはダイス
まもちき(ディーラ) 2D6 → 2 + 5 = 7 (01/17-18:21:33)
7+9+4=20 弱点抜き
演奏 2D6 → 4 + 6 = 10 (01/17-19:02:07)
10+11(バード技能)+4(精神B)=25