【A-3-4】老いる者と老いぬ者
>「回復については今回はこれで済ましましょう。
>貴重な精神力より、使うべき道具を先に使うべきだ」
癒しの力を行使しようかと提案するエール。
それに対し、ヴァーミリオンは自分の持っていた薬を使うことにする。
確かにはるかに効率的であろう。
「ああ、そうですわね。
流石はヴァーミリオン様。
冒険者としての知識も豊富ですのね」
そう言ってエールは後ろへ退くであろう。
薬品は一度に十分自らの負った傷を癒すだろう。
* * *
――さて目の前にあるのは二つの道だ。
揺り篭の絵と墓場の絵が描かれたそれぞれの道。
エールは墓石の絵に関してはあまり快く思わないようではあったが......。
>「揺籠から墓場まで、と言う奴でしょか?
>まあ、今の私たちは探索者だ!
>ここは基本に忠実に墓石の道を行きましょう。
>危険はあるかもしれませんが、大抵墓場には貴重な知識が眠るもの。
>探索者たるもの時に危険も犯さねばならないのです」
ヴァーミリオンの冒険者としての......学者としての精神は墓石の先を望んだようだ。
「ヴァーミリオン様がそちらへ行かれるというのでしたら......。
私は構いませんわ。
――ここに来て信じられるのは貴方だけですもの」
* * *
墓石の絵が描かれた先へ進んでいくと......。
どこまでも広がっていたかのような青空が少しずつ陰っていく。
どんよりと黒い雲に包まれた空。
太陽の光も月の輝きも見当たらない。
それと同時に吹き込んできたのは漆黒の霧だ。
先程の桃色の霧と同様にあっという間に二人の周囲を取り囲んだ。
二度目の体験だ。
今更臆することないであろう。
勘を頼りにヴァーミリオンはずんずんとその奥先へ進んでいけるだろう。
「ああっ......ヴァーミリオン様......。
すみません、少し体がうまく動かなくて......」
だが、一方のエールはというとヴァーミリオンの速度についていけないようだ。
その声もどことなく弱くなっていておかしい。
――そしてその原因は霧を抜けた瞬間露わになる。
* * *
「これは......また霧の影響でしょうか......」
彼女は――老いていた。
老いたとはいえ、腰が曲がってまともに動けないというわけではなく。
その背筋はぴんと立ち、佇まいは麗しく高貴な老婦人である。
尤も老いにより、筋力や体力などは多少落ちてしまっているようだが。
「困りましたわね......。
もし元に戻らなければどう致しましょう。
まだ次の巫女候補など探しすらしていないというのに」
女性としても、巫女としても流石に急激な老いは困惑してしまうようだ。
「それにしてもヴァーミリオン様は鍛え方が流石に違っておられますのね。
あの霧の影響を受けないだなんて......」
一方のナイトメアであるヴァーミリオンは霧の影響一切受けていない。
――彼はもう老いはしないのだ。
さて、先ほどのガーゴイルを思えば......この霧の向こうには敵が控えているはずだ。
闇の中――月の光が漏れ出してくる。
月明かりに照らされたのは闇の力を帯びた男だった。
ただの男ではない......闇の妖精シェイドである。
『我は闇......この先へと進む障害となろう』
彼は決して多くは語らぬ。
ただ進みたいと思うのであれば、その先への障害となるだろう。
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あんみつ@GMより
墓石の奥はそんな感じ。
【黒色の霧】について見識判定が可能です。目標値は22。
成功すれば事前にその効果がわかりますが、いきなり噴射されるので逃げれません。
【黒色の霧】に対してヴァーミリオンは抵抗の必要なく成功します。
エールは一時的におばあちゃんになりました。
ペナルティで基本能力値が全て半減(小数点切り上げ)になります。
【シェイド】について魔物知識判定が可能です。目標値は11/15です。
会話を試みてもいいですが基本的に返しません。再度戦闘になります。
先制判定ダイスと戦闘処理用ダイスを5~10個ほどお振りください。
今回もエールは戦闘スタイル《回復》で行きます。
もし他に何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)