【C-1-2】幸運を呼ぶ獣
ティキは契約したてのフィルギャを呼び出した。
彼女は必ずティキにとっての助けとなるであろう。
――いや、もうすでになっているだろうか。
どこまでも続いていそうな大穴の縁。
状況を見渡しやすく、かく隠れやすいポイントを見つけ。
ニコデムスをそこに着陸させる。
降り立った地面は極めてゴツゴツとしている。
剣のように尖った岩――切り立った崖。
あまり心休まる風景ではないだろう。
しかしニコデムスの探索の結果、極めて危険なものはなさそうだ。
最低限の安全性は確保されていると言えるだろう。
穴を覗き込んでみてもその深さは窺い知れない。
小石など投げ込んでみても反射する音など聞こえるはずがなかろう。
ずっとずっと眺め続けてみるとごく稀に闇の中がぼわんと明るくなることがある。
それはまるで闇夜を仄かに照らす蝋燭の灯火のように。
もっともそれすらごくごく一瞬のこと。
次の瞬間には穴の中は再度漆黒に染められていく。
辺りを見渡してみれば周囲の様子を知ることができよう。
背後に聳えるのは巨大な山だろうか。
向こう側には空に浮かぶ島らしきものが見える。
* * *
しばしの時がすぎる中。
何かが近づいてくる予感をニコデムスは抱いていたかもしれない。
そしてそれは予感では終わらず現実のものとなる。
見上げればまるで大剣のように巨大な岩の上に一匹の獣の姿。
あれは犬であろうか。
いや、ただの犬ではなさそうだ。
あの犬には羽が生えているのだから。
かの魔物は幻獣ケルブ。
幸運を呼ぶ神の使いとも言われし霊獣である。
ケルブは巨大なニコデムス、次にティキに気づく。
そしてそのまま岩から飛び降りて......少し離れた地面に立つ。
ケルブは二体の異分子にむかって何やら口を動かして言葉を発す。
されどその言語をティキもニコデムスも理解することはできないだろう。
魔法文明時代の失われた言葉であったからだ。
それからほんの少しケルブは静止して見つめていたが。
ゆっくりとティキたちに背中を向けて岩場の向こうへと去っていこうとする。
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あんみつ@GMより
熱狂の酒・飼い葉については了解しました!
ティキは空ずっと飛んでるから一人だけ変えたところを当てるなんて流石だぜ(・∋・)
ケルブについて魔物知識判定が可能です。目標値は12/15です。
ケルブは魔法文明語しか話せなかったため言語による意思疎通はできません。
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の4つです。
・大穴の中へ入る。
・ケルブの後を追う。
・もう少しここで様子を見る
・マップ上の別の場所(イ・エのどれか)を訪れる
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)