【C-2-7】突入を前にして
もしよかったら家に上がっていかないかと尋ねるラドンに対し。
>『そうさせてもらえるとありがたい。ニコデムスも飛んでばかりだし、私も神殿からここまで飛んできたからね......まだ慣れてなくて、疲れていたんだ。背周りの筋肉がすごく痛い』
そう言ってティキはありがたく一休みさせてもらうことにした。
翼を手に入れたとはいえ、いつまでもどこまでも飛んでいられるわけではないのだ。
『わかった......少し肉でも出してやろう。
そこのお前の相棒も軽く食べるか?』
どうやらラドンは戦いの前に肉料理でも出してくれるらしい。
確かにこの世界に来てからいろいろと飛び回ったので多少空腹感もあるだろうか。
* * *
ラドンが出してくれた肉料理は。
そこそこ大きめの鳥を丸焼きにしただけの簡易なものだ。
あまり器用ではないリルドラケンであり......。
更にこのような僻地に一人で住んでいるのだから仕方のないことかもしれない。
ただシンプルに最低限味付けされたものはそれなりには美味しく感じられるだろう。
予め希望しておけばニコデムスの分も出してくれているはずだ。
『悪いな......いつも儂とあとはケルブのものだけしか作らんのでな。
あまり凝った料理などはできんのだよ』
ラドンはその言葉通りあまり器用ではなさそうで。
今彼が座っている木製の椅子もだいぶガタが来ているのを無理やり修理した感じだ。
『そういえば神殿まで行ったのならばいろいろと景色を見ただろう。
どうだ......お前の目からこの世界はどう見えた?
難しく考える必要はない、単純に気になっただけだからな』
こんな感じの話をしながら食事と休息の時がゆったりと流れている。
もしティキが穴から見えたぼんやりとした明かりについて聞いてみるならば。
『あの大口の底の方にはな。
炎が吹き出してくる穴が空いているのだ......。
お前が見たものはおそらくそれだろう。
潜る際はくれぐれも注意することだ。
いきなり体中を焼かれてしまわんようにな』
――というように返してくれるだろう。
* * *
十分休息が取れた頃。
ティキは大口に向けて出発しようとするだろう。
『――往くのだな。
前にも話したがあの大口の奥にはこの世界と外の世界の境界の一つを司る竜がいる。
そいつの力を借りればお前たちも元の世界へ帰ることができるだろう。
まあ、どうなるかはお前たち次第だ』
ラドンはそう言って送り出してくれるだろう。
特に心配の言葉などは投げかけず。
別に見守ることもしない。
もう十分ラドンはティキに手を貸しているのだ。
あとはティキとニコデムスの実力と運次第であろう。
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あんみつ@GMより
ということで大穴に入って行く前にラドンのところでゆっくりと。
いろいろ書いていますが拾いたいところだけ拾って頂ければよろしいかと思います。
次回はおそらく大穴に潜ります。
もしほかにに何かしたいことがあれば言ってくださいね(*´∀`*)