突入
ラドンは、私に鳥料理を振る舞ってくれた。飾り気のない料理だが、私には好みで、十分なご馳走だ。うまいうまいと頬張っていると、ラドンが一つ質問をしてくる。
>『そういえば神殿まで行ったのならばいろいろと景色を見ただろう。
どうだ......お前の目からこの世界はどう見えた?
難しく考える必要はない、単純に気になっただけだからな』
特に考え込むこともなく、私は即答した。
『ここに住む者を、まだほとんど見ていない。故に、どう見えるかは判断し難い。世はそこに住む者なしには考えられないからね』
『ただ、私の直感だけでいいなら......楽園のようであり、檻のようでもある。自由を象徴するようでいてその実閉じた空間、そう感じた。観光でならまた来たいが、一生住むのは御免だ』
ここの生き物は、ここで生まれたもの以外はみな意思とは関係なく連れてこられたのではないだろうか。もちろんそれを喜んだものと、悲しんだものがいただろう。結局、ここに住んで感じるもの次第だが、要はここを気に入るかどうかで見方は変わる。守っているのか、閉じ込めているのか―何のための魔剣の迷宮か、それが分からないのでここまでしか考えられない。
『もしあなたがここを窮屈に思っていて、本気で出たいと私に話していたら、私は魔剣を獲りに行っただろう。だが既に私の腹は古竜と決まった』
聞いてどう思うだろうか、ラドンの反応を見た。
***
小屋の前に椅子を一つ置いく。
『直しておいた。魔香草を焚きに外に出たとき、勝手に借りてた』
簡単なものだが、薪の頑丈そうなのと、釘など無いか貴重なものだろうから、身のつんだ木の鋲で留めて補強し直しておいた。本当はもう少し削ったり磨いたり、にすを塗ったりなどした方が良いだろうが、そこまでやっていると一日以上熱中してしまいそうだ。
『華美に作るよりかは、丈夫に作るのが得意なんだ。―ということで、見てくれの悪さは勘弁してくれ』
言いながら、ニコデムスを手で呼ぶ。ニコデムスは大きく伸びをするように、翼を一杯に開いた。調子は万全のようだ。
『うまかったよ。ありがと、ラドン』
しっかりと礼を言うニコデムスの足元には、食べかすの一つも散らばっていない。ケイトめ、いい躾をしている。
>『――往くのだな。
前にも話したがあの大口の奥にはこの世界と外の世界の境界の一つを司る竜がいる。
そいつの力を借りればお前たちも元の世界へ帰ることができるだろう。
まあ、どうなるかはお前たち次第だ』
『ああ、もう十二分に手は借りた。―どうにでもしてみせるさ』
翼をゆっくりと、一杯に広げる。気のせいか、先ほどよりも大きく見えた。
赤いな。と、心の中で呟いた。
『行くぞ』
私とニコデムスと、全く同時に飛び立った。初めは高く高く、そして落下しながら速度を上げていく。
自分の後ろに紫紺の竜を従えて、ついに大穴の中へ飛び込んだ。
PL
いよいよ出発。大穴へダイブです。会話は、地の文の内容も伝えたとしてください。
椅子修理には前回の木工ダイスを使います。
探索とか振った方が良かろうか
18:43:05 キャスパー@ティキ 探索判定 2d+14 Dice:2D6[5,6]+14=25