【C-3-1】上層~竜の遊び場~
――この世界をどう思うか。
ラドンの言葉に対してティキが返したのは......。
>『ただ、私の直感だけでいいなら......楽園のようであり、檻のようでもある。自由を象徴するようでいてその実閉じた空間、そう感じた。観光でならまた来たいが、一生住むのは御免だ』
この世界は楽園であるようで閉じた世界でもある。
それがティキの感じたものであったようだ。
『そうか......お前もそう感じたか。
かつて儂は巫女に聞いたことがある。
この世界は自由になれる世界ではなく自由を知るための世界なのだと......。
もしお前がこの世界をそう感じたというのであれば。
そう......お前は本当の自由というものを掴みかけているのかもしれんな』
ラドンは竜の瞳でティキをじっくりと眺める。
その表情には幾年もの経験を積んできた男の面影があった。
* * *
>『直しておいた。魔香草を焚きに外に出たとき、勝手に借りてた』
そんな話をしていた一方でティキは壊れかけていた椅子を直していたようだ。
彼女曰く見た目の美しさより丈夫さを優先したとのことであるが......。
『それは有難いことだな。
儂は不器用で体も大きいからその方が使っていて役に立つだろう』
――というように、ラドンには喜んでもらえたようだ。
* * *
ラドンの元を離れ、ティキとニコデムスは大穴の中へと挑んでいく。
穴の上部はどうやら弱い竜たちの住処となっているらしい。
ごつごつとした岩壁のところどころに比較的竜にしては小さめの巣穴がある。
潜って少し行ったところの穴から顔を覗かせているのはドラゴンインファント――竜の赤子である。
それは少し前までのニコデムスの姿だ。
少し懐かしさを覚えるかもしれない。
ドラゴンインファントはじっとティキたちの様子を伺っていたが......。
再び穴の奥底へと引っ込んでいった。
他にも空をより早くより上手に飛べるよう訓練しているものがいたり。
ひたすらブレスを吐く練習をしている赤子もいる。
そんな中気がつけば二つの首を持った蝙蝠のような翼を持つ異質な蛇が傍まで迫っていた。
竜の盟約がある以上ティキたちを殺そうと襲いかかってくることはない。
だが本来他の者に対して敵対的であるこの蛇は、悪辣な性格をしているようであった。
ティキたちから少し外れたあたりを狙って毒煙のブレスを吐いた。
これは攻撃ではなく、単なるちょっかいであろう。
それでもティキとニコデムスにとって毒は毒だ。
おそらくこの空舞う毒蛇は上層の比較的か弱い竜たちを虐めているのではなかろうか。
もっともその妨害は執拗なものではなく、一度だけで追いかけてくることは決してない。
――穴は更に深くまで続いている。
見えてくるのはそう......ラドンの言っていた吹き出す炎のある場所だ。
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あんみつ@GMより
ラドンからちょこっとお返しして......。
大穴に潜り始めたのでカテゴリを移動させました。
これからはこちらに投稿くださいね!
穴の上の方はこんなようになっていたようですね。
ドラゴンインファントの姿を見っけたのでこの時点でティキはSQ達成となります。
また、【アンセスターアンフィスバエナ】について魔物知識判定をどうぞ。目標値は16/23です。
アンセスター(以下略は毒煙のブレスをティキとニコデムスたちの側に吐いてきます。
生命抵抗判定をどうぞ。目標値は22です。
成功すれば9点、失敗すれば17点の毒属性魔法ダメージをティキとニコデムスそれぞれ受けます。
アンセスターはそれ以上ちょっかいはかけてこず悪そうな顔をしています。
ティキたちが仕掛けるなら戦闘になりますが。
何もしなければ何も起こりません。
大穴の上層でやりたいことがあればどうぞ。
特に大きな動きがなければ中層へとステージを移します。
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