髪は水分を含むとさらに重くなる
ラキアスは僕の企みに笑顔で答えた
>「Давай」
種族語だと思うが、反対してはいないだろう。
ふと、思ったのだが「一緒に作る」という意味をどう受け取ったのだろう?
王子の分を作る際に、ついでにラキアスの分も作るという風に言ったつもりだったが、
もしかして制作そのものにも関わりたいのだろうか?
細々とした作業ではあるが、興味を持ったというのであればそれもいい。
注文されれば手伝ってもらうこともできるし、自分で身に着けるものも少し自分の手が入ったほうが
愛着も出るだろう。
どちらにしても、僕の申し出が王子に受け入れられなければ話にならない。
そして、何よりも、そういう相手が出てくることと展開次第、ということになるだろう。
ラキアスに確認するのはそのあとでも遅くはない。
* * * *
入り口の無い不思議な塔。
僕は、最初は入り口はあっただろう、と予想している。
>「そうだね。女性一人を縛って担いで上までいくなんて男性でも難しいよね。叩いて探す?」
「おや。ラキアスは扉はまだ使える状態で隠していると、予想されているのですね。」
僕とはちょっと違う見立てをしているようだ。
「僕は、扉そのものに壁材を入れるか石積みをしてしまって、壁と同化してしまったのだろう、という気がしたんです。つまり、壁になってしまって使えない、という気がしたんですが。そうですね、ラキアスの考えの通りなら叩けば手がかりはつかめますし、やってみましょう。」
壁を打ちながら違った音が出るかどうかも調べてみることにした。
しかし、塔の裏側に来るとロープのように髪が下がってきている。
>「え?髪?レタス様こちらにきて頂けませんか?」
ラキアスは王子を呼ぶ。
>「髪の毛がどうしたのって・・えっ、すごい!どうなっているの!」
まあ、驚くだろう。こんなに長い髪はあり得ない。
「これが外に垂らしてあるってことは...これで登れるってことでしょうけれど。」
>「なんでこうなっているのかはわからないけど、グレースさんロープ一本貸してくれない?
私の持っているロープと繋いで、三人とも腰に巻いて結んで誰かが落ちても大丈夫なようにしたいから。先頭は私が行くつもりだけどどうする?」
「ロープを貸すのはかまいませんが、3人でこれにつかまって登るのはちょっと抵抗あるんですよねぇ。」
僕は髪を持ってみた。そして1メートルくらいの所でラキアスに持たせる。
「これで重量はどれくらいあるでしょう?あの長さですから何もなくてもかなりの重さになるはずなんです。
ラキアスが先に行くことはいいのですが、一人づつ登ったほうが良くないですか?」
これで2kgあるとしても、あそこまでの長さだと100kgくらいの重量になっているはずだ。
そこに体重50kgが3人もぶら下がってしまうと全部で250kgか...。一人づつにしないとまずいだろう。
* * * * * *
コルチョネーラです。
おそらく魔法の髪でしょうから、3人で登っても大丈夫そうな気がしますが、グレースは生真面目なので、つい重量を気にしています。
ラプンツェルが気がついて、「大丈夫!私の髪は100人乗っても大丈夫!」って言ってくれたら3人でも登るんですけどね。(←イナバ〇〇みたい)
地上50mは15階から20階に相当しますよね。「進〇の巨人」に出てくる壁の高さが50mだそうです。