僕は最後
グレース(コルチョネーラ) [2016/02/15 07:59:50]
ラキアスは先に登っていく。
「僕は、髪が切れるよりも、持ち主の首のほうを心配したんですよね。」
王子に呟いた。
「ラキアスから合図がありましたら、先に登って下さい。髪の持ち主は肩も首も凝ってますでしょうから、気遣ってあげてください。」
僕が先に登ってしまうと、僕がそうしてしまう。女性が理想の人かはまだわからないが、婚活中の王子の立場は察するべきだろう。
僕は改めて垂れ下った長い髪を見る。
何故、こうして垂れ下っているのか。
恐らく、出入りしている人がいるということだ。
しかも、髪の長い女性は、他に手段がなければ降りられない。監禁システムとしてはよく考えたものだ。
僕らが塔の上に行ったとしても、連れ出すには、髪に代わる物が必要になる。
結局、準備をするために一度撤収することになるだろう。
僕まで登る必要があるだろうか?
待機したり、調達に走るべきか?
とりあえず、ラキアスの指示待ちだ。
* * * * *
コルチョネーラです。
指示がなければ、グレースは最後に登ります。
女性に気遣う性格なのですが、王子の立場もあるので、さり気なく指南します。
ラキアスさん、または、アルフさんの指示があれば登らずに指示に従います。
調達に走ったほうがいいかな?