白馬だけど赤チコリ
僕は、王子の白馬の馬具を調べてみた。
すると、案の定文字が確認できた。
やはり王子の馬だけのことはある。こういうのは大体特注だと思っていた。
見慣れない文字だが、何故か読めた。そこには『トレビス』と記されていた。
「なかなか素敵な名前じゃないですか。」
予想に反して雄馬だった。あの王子だけにてっきり牝馬だと思ったのだが。
まあ、スピードにこだわるなら雄馬のほうが全体的に速い。
* * * *
何か見られてる。すごく嫌な視線。
たぶん、あっちから。
おおよその方向はわかる。そちらを探してみればいい。
しかし、人らしいもの、動物らしいものの気配が全然しない。
人でも動物でもないとすると...
こうなったら絶対見つける。見つかるまで動かない。
見つからないままで動くのはヤバい気がする。
正体がわからないと対処のしようが――
ん?
もしかして、森の中のあれがそうか?
それは大きな木だった。大きな木なのにエントレット(小さなエント)という。
あんなのが普通にウロウロしているのだろうか、こちらではこれが普通なのだろう。
彼にしてみれば、僕はよそ者だ。
彼は僕が何もしてこないとわかったのだろう。
しばらく僕を見たあと、背を向けて歩き出していった。
別に追う必要はない。
僕が気にしているのは塔の中のことと、ここに来そうな人のことだけだから。
* * * * *
僕は塔を見上げ、それから垂れ下がった髪を見る。
それにしても、あれから時間が経っているが長い髪はぴくりとも動かない。
塔の中では何が起きているのだろう?
そろそろ連れ出して降りてきてもいい頃なのだが動きが無いのが気になる。
出会いが良すぎてタイムロスが発生している、というのは予想がつくが、
それにしても遅い。あそこでは長居をするべきではないのだ。
...もしや不測の事態でも発生しているのだろうか...
「・・!!」
そう思っていたら何かが落ちて来た。食料らしい。
遥か上のほうで、人が動いているのが見える。降りる感じではなく...
どうやら何か動きがあったようだ。
あれは「来い」と言う意味だろう。
僕はトレビスに言った。
「どうやら僕は呼ばれたようです。あなたはお城のお帰りになったほうがいいでしょう。
王子のことはご心配なさらず。僕らがお護りしますから。」
僕は塔の上に向かって手を振った。
トレビスがこの場から去れば、こちらも行動に移したことがわかるだろう。
* * * * * * *
コルチョネーラです。
上で呼ばれたっぽいので、塔に入ることにします。
トレビスには帰還を促します。
保存食は...目に着かないように処理してから、髪伝いに登ります。
会社に対人恐怖症の人がいますが、人当たりはいいです。でも触れられるのが苦手なので
通勤ラッシュを避けてかなり早い時間に出社されてますよ。
12:43:58 コルチョ@グレース ≫ まもち 2d+7 <Dice:2D6[5,5]+7=17>
12:40:54 コルチョ@グレース ≫ 探索判定 2d+4 <Dice:2D6[2,6]+4=12>