【B-3-2】呪いの模様
シイノヴィアは......ノヂシャの誘惑に勝つことができなかった。
何故かわからないままその中の一つに手を伸ばし。
一枚だけちぎって――口に入れてしまう。
葉っぱの味だ。
特にそれ以上で以下でもない。
最初はそう感じていただろう。
――しかし異変は思わぬところからやってくる。
体のどこかが焼けるように熱い――燃えるように痛い。
痛みを覚えた箇所の様子を目で確認してみれば......。
葉のような形をした魔術的な小さな文様が刻まれているのがわかるだろう。
だが痛みはごくごく一瞬で。
その文様自体の印象も薄目である。
ほんの少しだけしか齧らなかったからだろうか。
そんなようにシイノヴィアが確認していたところ。
「そこのお前......一体何をやっているんじゃ!」
嗄れた怒鳴り声が後ろから聞こえている。
いつの間にか畑の中に黒い衣と帽子を身につけた老婆が立っていた。
白髪と体中の皺からそれなりに高齢であるように見えるが......。
立ち振る舞いは不自然にしっかりしている。
何らかの秘密でもあるのだろうか。
「私の手塩にかけて育てた野菜を勝手に食べるとは......何様のつもりなんだい?
まったくこれだから近頃の若い娘は。
......どれ、見せてみな」
そう言って老婆はシイノヴィアの傍まで迫ってきて。
彼女の体に浮き出てきた文様を確かめる。
「あれまあ、こんなに薄いのかい?
これじゃあすぐに消えてなくなっちまうねえ。
でもお前......この呪いが浮き出ている間は森の外には出れないよ。
出ようとすれば体中が傷んで動けなくなるのさ」
老婆曰くシイノヴィアに体に浮き出てきたのは呪いの証らしい。
この呪いを受けた者は森から出ようとすると全身がひどい激痛に襲われるというのだ。
ただ証の色が薄いことからそう遠くないうちに解けそうなのがせめてもの救いだろうか。
「さて、勝手につまみ食いしたことについてはどう責任を取るつもりなんだい?
まさか逃げようってことはないだろうねえ......?
もし反省してるっていうんなら、ちょっとあたしの手伝いをしておくれ。
お前はそれなりに器用そうで体力もありそうだ」
老婆の言葉を聞く限り、シイノヴィアに野菜の収穫の手伝いをして欲しいようだ。
確かに畑を見てみれば食べごろの野菜や果実が幾つか見当たるだろう。
――季節的に同時にはできない物があったりするあたり、やはり普通の畑ではないのだろう。
「さあさあ、ぼさっとするんじゃないよ!」
老婆はそう言って急かしてくる。
いっそ逃げてしまおうか――シイノヴィアならできるだろう。
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あんみつ@GMより
シイノヴィアのルート進行になります。
シイノヴィアは一時的に呪いを受けます。
【分類:その他】に【野草の呪い】を登録しておきます。
呪いが発現する場所は紫乃さんの好きなところへどうぞ。
基本的にサイズは最低限見ればそれだとわかる程度の大きさです。
シイノヴィアは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・畑の収穫を手伝う
・一目散に逃げる
手伝う際は適当に野菜や果物を摘み取っちゃってください。
魔法の畑なんでとりあえず何でもあります(・∋・)
逃げるを選択した場合少なくともこのシーンからは逃亡可能です。
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)