【C-1-4】横軸から縦軸へ
>「そうですね。少し人の手がかかった感じはしますけど。
>ところで外に出たことの無いあなたは、そういった情報は、本などから得ているのですか?」
グレースが不思議に思うのも無理はない。
ラプンツェルは物心ついた頃から塔の中にいて、外の情報から遮断されている。
理解できることもほとんど多くないだろう。
「外のことはね、お婆さんが教えてくれたのよ。
最近はあなたの言う通り、お婆さんに頼んだ本を読んで勉強することもあるわ。
お婆さんに外のことを聞くとね......悲しそうな目をするから」
グレースの抱いた謎にはラプンツェルが素直に答える。
彼女の知識のベースは例のお婆さんから。
それ以外の幾つかは本から入手しているのだという。
* * *
>「王子だけでは厳しいですよ。恐らくあれは侵入者に攻撃するように命令されているんです。」
>「ストーンサーバントと呼ばれる操霊術師によって作られた石のゴーレムです。連撃しますので注意してください。一撃は重いですからね。」
その正体を見抜いたグレースが言う。
このストーンサーバントは侵入者を排除するためにいるのではないかと。
「躁霊術師......魔法を使う者のことですね。
そう言えば話に聞いたことがあります。
森に住む魔女の噂ですが」
グレースの説明を聞いてレタスには思い当たる節があったようだ。
しかしそれはこの場が落ち着いてからの話だ。
石でできた従者の人形は今にも冒険者たちに襲い掛かりそうだ。
>「さてと、どう攻めようかな」
一つつぶやいてラキアスは戦う体制を取る。
その表情にはどことなく笑みが浮かんでいたように見えた。
* * *
戦いについてだが、戦闘に出て行ったラキアスとレタスは幾つか攻撃を避けることに失敗した。
また、彼女たちの斬撃もまた石の体の硬さに阻まれて打ち砕くことができなかった。
そのせいでグレースは回復の奇跡を幾度か起こさざるを得なかっただろうか。
――だとしても最後まで立っていたのは冒険者たちだ。
もうこの先を塞ぐ障害はない。
洞窟を奥へと進んでいけばいいだけだ。
「戦いってこういうものなのね。
なんだかすごく......怖かったわ」
岩陰からひょっこりラプンツェルと長い髪が姿を現す。
初めて目の前にした戦いの激しさに多少気が参っているようだ。
「怖がらせて済みません。
貴女を守りたくて戦って......それで貴女の心を守れないのは男として失格でした。
けれど貴女にはわかって欲しい。
僕は貴女のためならば全てと戦う覚悟を持っていることを」
レタスは剣を鞘に入れ、盾を仕舞い。
可能な限り優しくラプンツェルの手を取った。
「それにしてもラキアスさんは戦いの際にとても活き活きとしてらっしゃいますね。
そんな貴女も情熱的で素敵ですよ」
これはレタスのラキアスに対する評価だ。
隣で戦った彼にはラキアスの表情がよく見えていたらしい。
* * *
ストーンサーバントを打ち倒したあとは只管に一本径の穴ぐらを進んでいくだけだった。
そして幾らか歩いたところで行き止まりにつき当たる。
洞窟としては確かに行き止まりだが。
それは所詮世界を平面に見た場合の話だ。
上に至るための梯子がかかっている。
これを登れば洞窟から出ることができるだろう。
「上にあるのは、木の扉のようですね」
「誰か住んでいるのかしら?」
確かに見上げれば木の扉のようなものがある。
戸があるとすればその向こうは何らかの人工物になっている可能性が高い。
森の外にあるという村の方まで出たのだろうか。
それともまたの別のものだろうか。
少なくとも開いてみなければわからない。
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あんみつ@GMより
ストーンサーバントとの勝負は以下のような結果になりました。
3:やや失敗。2D6のHPダメージと3D6のMPダメージを任意に振り分け。
ちなみにダメージはHPに5点、MPに10点のダメージでした。
PTで自由に振り分けてください。
戦闘後回復や戦利品の決定は可能です。
また、戦闘に勝利したので1点のHPを獲得できます。
あとは道なりなのでご自由に(*´∀`*)