【C-2-1】あの子とは誰?
気絶した男たちを放置して行くか。
それとも見守るか。
>「はい。では、シィノはこれで失礼します」
シィノヴィアの決断は彼らを見守ることであった。
それはゴーテルと決別することも意味していた。
「ふん、お前の勝手にするといいさ。
だが忘れるんじゃないよ......お前はこの森から出ることができない。
そして覚えておくといい。
――あたしはお前に対しても容赦はしないよ」
ゴーテルは少し不機嫌そうな顔をして森の奥へと消えた。
進んでいった方角からしてあの塔の下へと向かったのだろう。
* * *
シィノヴィアが介抱をしていると、黄金色の髪の男がゆっくりと目を覚ます。
「お、お前は......!」
傍にいた仮面をつけているシィノヴィアの姿を見て一瞬だけ怯むが。
近くにゴーテルの姿が見えないこと。
そして自分たちを介抱してくれていたことに気づいたのか。
次第に落ち着きを取り戻していく。
「あんた......一体何者なんだ。
怪しい仮面をしているし、魔女の傍に控えていたから奴の仲間だと思っていたが。
もしかして違うのか。
違うって言うならその仮面を外してくれ」
少し深呼吸をしてから男はシィノヴィアを見据える。
その瞳にはぎらついた敵意は存在していないようだ。
ただ、やはり仮面で隠していることへの不信感は拭いきれていない。
「まあ......もしあんたが顔をどうしても隠したいというなら構わない。
たぶんあんたにはあんたの事情があるだろうしな。
あんたは俺たちを救ってくれた。
それだけでも充分だ」
まあ仮面を外さなくても、介抱してくれたというだけで。
シィノヴィアのことは少なからず信頼しているようだ。
「なあ......あんたが魔女の仲間じゃないなら頼みがある。
魔女の討伐を手伝ってくれないか?
あの子を――俺たちの娘を取り返したいんだ。
俺の妻は病気でな......もしかしたら先は長くないかもしれん。
だからまだ間に合ううちに――あいつに逢わせてやりたいんだ」
この男の焦りや嘆き悲しみや怒りなどが入り混じった言葉、表情などから察するに......。
魔女狩りというものは建前であり、本当の狙いは妻と娘を再会させることだろう。
ゴーテルの語るあの子。
この男が語るあの子。
事情は複雑なようだ。
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あんみつ@GMより
ゴーテルと別れたところでカテゴリを変えました。
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このシーンではまたちょっと可哀想なことを聞けたのでTPを1点獲得です。
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他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
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