感情が増えていく
雨が強い。
マントにフードがついているが、走ればすぐに脱げるだろうから、かぶるのは諦めた。
近づいた塔は、遠目に見ていたより大きなもの。
その下に、ゴーテル殿がいる。
ふり返ったその顔は怒りを隠そうともせず、シィノを責めた。
>「お前......まさかあの子をどこかにやったんじゃないだろうね?」
意味がわからない。
返事をする前に、ゴーテル殿が踵を返す。
>「まあお前の仕業じゃないだろうさ。
> 奴らだ......さっきの奴らに他に仲間がいたんだ。
> 許せることじゃないね。
> ――全て殺してでもあの子を取り返してやるさ」
よくない。
むき出しの殺気に、肌が粟立つ。
落ち着けと、声をかけようとした。
>「......ああ、そうだ。
> お前も信用できないからね。
> 少しこの辺に留まってもらうことにするよ」
「なにを――」
最後まで言うことは叶わなかった。
代わりに、声にならない悲鳴が漏れた。
思わず膝をつく。
上体を支えるためについた左手の甲に、文様が毒々しく浮かんでいた。
>「これは私からの情けだよ。
> もし止めに来ようというのなら、お前の息の根も止めることになるかもしれない」
ようやくそれだけを聞き取った。
情け? よく言ったものだ。
あとで後悔しても知らない。
この呪い、森から出られないだけならまだしも、やはりロクでもない代物だった。
そうやって、力を振るうことしか知らないから恐れられるのだ。
恨まれ、疎ましがられるのだ。
うずくまり、痛みに歯を食いしばる。
どれだけそうしていただろうか。
雨にうたれ続けた体は、すっかり冷えた。
痛みは徐々に弱まるが、それに反して怒り――そう、怒りは、増すばかりだった。
シィノは、怒っている。
――――PL――――
実はシィノ怒るの初めて。
ついでにPLもおこ。
ダイスくっそ!
どうせなら! 1ゾロれと! 何度言ったら!!!
21:13:37 紫乃@シィノ ≫ 呪い抵抗 2d6+11 <Dice:2D6[2,1]+11=14>