【D-1-3】雷鳴のごとく
ゴーテルはラプンツェルは森に愛されているのだと言った。
>「彼女が森に愛されているのでしたら、せめてもう少し、ラプンツェルさんに
> 森を見せてあげたいです。
> 森だってラプンツェルさんを近くで見たいと思っているのではないでしょうか。
> 今しばらく、時間の猶予を頂けますでしょうか。」
グレースは頭を使ってそこを突く。
森に愛されているのなら、森もまたもっと触れたいと思っているのではないか、と。
その問いかけに対して、明らかにゴーテルは口を詰まらせた。
少し思案してひねり出した答えは。
「森の中には野獣もいるし、危険な植物もいる。
そんな中にこの子を連れて行くわけにはいかないよ。
私の......私の大事な子なんだ......!」
森は危険だから出せないという論理的に実に甘い回答。
>「失礼。少し確認します。ゴーテルさん。あなたがこの森に住むのはラプンツェルさんの命を守るためですね?
> なら、この森の加護無しでも生きられるようにすれば問題ありませんよね?それとも、他に何か理由でもお持ちですか?」
そこをさらに追撃するのがラキアスの言葉だ。
森が危険ならば尚更村や人の住むところで暮らした方がいい。
二人からの言葉を受けてゴーテルはその身を震わせる。
「そもそもあんたたちはなんなんだい!
私やこの子について何の関係があるって言うんだ!
部外者は黙ってるんだよ!
私たちのことは放っておいてくれ!」
ゴーテルは詰まりに詰まった結果激しく怒り出す。
彼女をここまで駆り立てるものはいったい何であろうか。
「お婆さん、落ち着いて......お婆さん!」
ラプンツェルはそんなゴーテルに労わる言葉を投げかける。
彼女は老婆を家族同然として案じているのだ。
「僕は......美しい女性が塔にいると言う噂を聞いて訪ねてきました。
そして見つけました、噂通りいや噂以上に美しい彼女を。
だから僕は彼女の願いを叶えてあげたかったのです。
この行動は明らかに僕のエゴであることは認めましょう」
レタス王子らしく公正な態度で答える。
彼の言葉は少なくとも嘘ではないだろう。
ゴーテルはそんな彼に対して苦虫を噛み潰したかのような顔になる。
「僕は全ての女性に対して優しく有りたいと思っています。
それは貴女のような様々な経験を積んだ方も同じです。
どうして貴方は......そんな辛そうな表情をしていらっしゃるのですか」
悪気からではなく誇りや志からくる言葉。
しかしゴーテルはそれを跳ね返すかのように鬼のような形相で叫び声を上げる。
「いい気になるんじゃないよ......若造が!
どうしてもその子を離さないつもりなら。
その腕を灰にしてやろうじゃないか!」
そう言ってゴーテルは杖を振り上げる。
強い魔力が集まっていくのが感じられる。
近くに雷が落ちたようだ。
「やめて、お婆さん。
みんなが戦うところを見るなんて嫌よ!」
ラプンツェルが声を上げる。
レタスは彼女をかばうかのように立つ。
その手を剣に伸ばそうとして――迷っている。
......この状況、冒険者たちはどうするか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こんな具合で展開を移動させました。
シィノヴィアの組み紐は光らせてもいいですよ。
王子たちは気づかないですが、ラキアスたちは気づいてもいいですよ。
ただ怪しい素振りを見せれば、他の人も気づきます。
また森から村へは歩いて30分、城へは歩いて1時間くらいです。
移動手段によって変わりますが。
みなさんは次の行動の選択をどうぞ。
具体的なものは以下の2つです。
・ゴーテルと戦う
・ゴーテルと戦わない
それ以外のポイントはお好きなようにどうぞ(*´∀`*)