正義は我にあり
>「いい気になるんじゃないよ......若造が!
> どうしてもその子を離さないつもりなら。
> その腕を灰にしてやろうじゃないか!」
>「やめて、お婆さん。
> みんなが戦うところを見るなんて嫌よ!」
>「ラキアス、アルフさん、僕は止めません。」
>「あなたのこれからやろうとしているのは大事な彼女を悲しませます。彼女をよく見て、そして考えてください。
>それでもやるつもりでしたら私は容赦しません。約束と大切な仲間たちがいますので。いつでも、どうぞ。」
ラキアスが前に出るのを見て、決めた。
シィノだけここから見ているわけにはいかない。
木の陰から出て、まっすぐみんなのもとへ向かう。
今までの話から察するに、ラプンツェル嬢はゴーテル殿以外との接触がないのだろう。
そこはとても小さな世界だったはず。
そのラプンツェル嬢に、このような問いかけは酷かもしれない。
しかし、彼女は自分で選ばなければならない。
それは、ラプンツェル嬢が自由なヒトであるがための義務であり、権利。
「はじめまして、ラプンツェル嬢。シィノはシィノ。
あなたに会いたがっている人に頼まれて来ました」
依頼に忠実であるならば、力づくで奪ってでもつれて行くのだが。
翻弄されるままでは、ラプンツェル嬢があまりにも哀れ。
シィノはシィノの正しさをもって、ラプンツェル嬢に問う。
「ラプンツェル嬢のご両親が、あなたに会いたがっています。
一方で、ゴーテル殿が――どのような形であれ――あなたを愛しているのも事実。
ゴーテル殿に従うか、シィノたちについて来ていただけるか。
あなたの意思を問いたい」
ラプンツェル嬢がゴーテル殿を選ぶなら、シィノはシィノが恨まれてでもキャベツ殿にその旨を伝えよう。
しかし、ラプンツェル嬢が外の世界を望むなら、シィノが全てのしがらみを斬って見せよう。
――――PL――――
ラキアス一人をゴーテルの前にさらせるかってんだ。
ゴーテルが何を言ってきても、「シィノはラプンツェル嬢に聞いている」とにらみ返してやりましょう。