明かされる新事実
繁みから不思議な光があるのはわかっていた。
それが何であるか僕にはわからなかった。
ラキアスは知っていたようだ。
現れた黒髪のシャドウの女性。
シィノさんは、物陰から僕らの話を聞いていたようだ。
>「はじめまして、ラプンツェル嬢。シィノはシィノ。
あなたに会いたがっている人に頼まれて来ました」
「シィノさん...。いらしてたんですか。」
僕はシィノさんに声をかける。
どちらかといえば、これはゴーテルさんに僕らの仲間だと知らせる意味合いだ。
ここまでくるには色々とあったのだろう。
決してスムーズに事が運んでいたという感じには見えない。
シィノさんはラプンツェルさんに要件を伝え、尋ねる。
>「ラプンツェル嬢のご両親が、あなたに会いたがっています。
>一方で、ゴーテル殿が――どのような形であれ――あなたを愛しているのも事実。
>ゴーテル殿に従うか、シィノたちについて来ていただけるか。
>あなたの意思を問いたい」
シィノさんから新たな情報を得た。
「ちょっと待ってください。ラプンツェルさんはご両親に関する情報は一切聞いていないですよ?
たぶん、存命されていることも知らされていないはず...」
もちろんシィノさんに話しかけるようにしながら、ゴーテルさんに伝えている。
これは一体どういうことなのだ、と。
ゴーテルさんに聞いてみよう。
「実の親子ではないと思っていましたが、養親子というご関係だったのですね?
どういう経緯でそうなったのかは、ご両親に聞けばわかるでしょうが、
せめて、両親がいらっしゃったことをお知らせして、時々会わせてあげることはできたのではないでしょうか?」
会わせたくないのなら、森に縛られることは寧ろ都合がいい。
ラプンツェルさんは自力で会えなくさせている。それはゴーテルさんの工作なのだろうか?
だとすると...
ゴーテルさんは説明するべきだ。
誤魔化して逃げることはもはや不可能だろう。
「今こそすべてをお話する時です。
そして、実の両親に会わせることをご承諾ください。」
それからシィノさんに向き直ります。
「シィノさん、どちらの結論をラプンツェルさんが選択されたとしても、
僕をご両親の所に案内してください。お話を聞きたいですから。」
実子を心配するあまり病気にでもなっていたとしたら、
僕が何とかしよう。今の僕には病気を癒す力も授かっているのだから。
* * * * * *
コルチョネーラです。
シィノさんお待ちしておりました。
シィノさんの新情報が出ましたので追記します。
グレース的には、ゴーテルさんがすべてを話して、
両親に会うことを承諾すれば、戦闘を止める方向に動くでしょう。
ラプンツェルさんが森から出られなくても、実母の病気を癒して連れてくることも可能です。
というか、ゴーテルさんはラプンツェルさんを森から出す方法知っているんでしょうけどね。