【E-2-1】魔女という呪い
>「ゴーテルさん。雨に濡れて寒いでしょう?これを貸します。どこか雨をしのげる場所に行きませんか?」
ラキアスはそう言って自らの来ていたローブを差し出す。
けれどゴーテルからの反応はない。
果たして見えているのかいないのか。
少なくとも受け取るつもりはないようだ。
......ただ抵抗する意思はないので、無理やり着せようとすればできるだろう。
少しの間――それぞれの体は雨に濡れていく。
雷こそ落ちてこないが、雨の勢いは未だ強い。
「私は......いつから間違っていたんだろうねえ......」
雨に消されそうな弱々しさでゴーテルは呟く。
「お前たちは子供が欲しいと思うことはあるかい?」
急にゴーテルは二人に尋ねる。
そのような問いかけをするのは二人が女性だからであろうか。
「私はかつて城に愛する相手がいて、その男の子供が欲しいと思っていた。
けれど私にはできなかったのさ......子を生せる体ではなかったんだよ。
そしてある日男は私にこう言ったよ。
『お前は神に愛されぬ魔女だから子供を作れないんだ』とね。
――まあ、昔の......遠い昔の話さ」
ゴーテルは続けて昔語りを始める。
決してシィノヴィアとラキアスに対して心を開いたからではないだろう。
ただ単純に、どうでもよくなっているのだ。
「それから私は城を離れて森に住み始めた。
一人になった私は――余計に誰かが恋しくなったよ。
子供が欲しいという思いが強まっていったのさ。
そんな要望が村の夫婦を罠にかけ契約を結ばせ――あの子を手に入れさせた。
そう、ラプンツェルをね」
先ほどシィノヴィアの聞いたこと。
昔のゴーテルとキャベツのやりとりは、ゴーテルから仕掛けたものだったらしい。
そして彼女はラプンツェルを手に入れ今日まで育ててきたのだ。
「だけど、そんな私がまともにあの子を育てることができるわけがなかったんだね。
私にできたのは森と塔に閉じ込めてあの子を私だけのものにすることだけだった」
自嘲に満ちた笑みを浮かべて、ゴーテルはシィノヴィアを見つける。
「お前の呪いも、あの子にかけた呪いもね。
私の魔力で維持されているものなのさ。
だから私が死ねば、全てが解放されるんだよ」
雨が一瞬だけ止んだ気がする。
「......私を殺したくはないかい?」
ゴーテルを殺せば、確かにすべてが自由になるだろう。
彼女を犠牲にするのは実に簡単だ。
そういった気持ちさえあれば。
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あんみつ@GMより
こちらラキアスとシィノヴィアのカテゴリになります。
ゴーテルの過去を聞けたので、シィノヴィアにTPを1点差し上げましょう。
現在は3点になっている......はずです。
呪いの解き方としてゴーテルの命を奪うことが一つあります。
現在《強烈な依存》の効果で能力はほぼ0状態なのでやろうと思えば簡単にできます。
倒した場合、シィノヴィアのメインNPCであるためTPを2点入手でき、
戦利品と剣のかけら10個も獲得可能です。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ゴーテルを殺す
・ゴーテルを殺さず、対話を試みる
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)
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